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歩行者に優しい横断歩道、スマホのWi-Fi利用でルネサス DevCon 2015(2/3 ページ)

ルネサス エレクトロニクスが米国で開催したプライベートイベント「DevCon 2015」では、車載製品からアナログ・パワー製品、「Synergyプラットフォーム」まで、多数の製品デモが行われた。車載向けでは、車車間・路車間通信(V2X)向けの最新SoC「R-Car W2R」を使い、Wi-FiとIEEE 802.11pの通信を組み合わせて、“歩行者に優しい”横断歩道を提案するデモを見せていた。

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イーサネットでもそん色なし

 R-Car T2については、模型のサーキットを走るミニカーをカメラで撮影し、その映像をイーサネット経由でディスプレイに出力するというデモを披露した。現在、車載アプリケーション分野ではLVDS(低電圧差動信号)を採用するのが主流だ。イーサネットは遅延が発生するという理由で使われないことが多い。ルネサスは、今回のデモで、ミニカーの映像をLVDSでも出力し、イーサネットを使った場合と比較した。結果は、まったく同じタイミングで映っているように見えた。ルネサスによれば、映像が出力されるまでの時間の差は10msもなく、人間の目ではその差は分からないという。

photophoto デモの概要(左)と、デモを行っている様子(右)。画像赤枠は小型カメラ。これらのカメラで、走るミニカー(画像右下の青枠)を撮影している。R-Car T2は6×6mmという小型パッケージを実現しているので、カメラモジュールにも十分搭載できる(クリックで拡大)
ミニカーの映像をLVDSとイーサネット経由で出力し、出力されるまでの時間を比較している。左がLVDS、右がイーサネット。イーサネット経由の画像は、比較しやすいように反転させている。2つの動画の出力のタイミングは、ほぼ同じだ

「Synergyプラットフォーム」は医療機器の開発にも

 DevCon 2015の大きなテーマの1つでもあった「Renesas Synergyプラットフォーム(以下、Synergyプラットフォーム)」についても、いくつか展示があった。中でも、来場者の注目を集めていたのが、米国の医療機器メーカーBeckersmithのデモだ。Beckersmithは、脳脊髄液を一定の速度で自動的にドレナージ(排液)する機器「FlowSafe」の開発を手掛けている。同社は、FlowSafeの開発にSynergyプラットフォームを用いたことで、開発期間を大幅に短縮することができたという。

photophotophoto 左=Beckersmithが開発中の「FlowSafe」。2016年4月に発表する予定だという / 中央=デモの様子 / 右=高性能の「S7」マイコンを搭載したSynergyプラットフォームのボード。大きさは20×15cmほど(クリックで拡大)

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