東芝、3D NANDメモリ専用製造棟の一部が完成:身売り話浮上のSanDiskとの共同投資も正式合意
東芝とSanDisk(サンディスク)の両社は2015年10月21日、NAND型フラッシュメモリの製造拠点である東芝四日市工場(三重県四日市市)で建設していた「新・第2製造棟」の建屋が一部完成し、同製造棟への設備投資を共同実施することで正式契約を締結したと発表した。
稼働開始は2016年1〜3月を計画
東芝とSanDisk(サンディスク)の両社は2015年10月21日、NAND型フラッシュメモリの製造拠点である東芝四日市工場(三重県四日市市)で建設していた「新・第2製造棟」の建屋が一部完成し、このほど両社が共同で設備投資を実施することで正式契約を結んだと発表した。
新・第2製造棟は、メモリセルを縦方向に積層する3次元NANDフラッシュ(3D NAND)特有の製造工程を実施するための製造棟として、従来の第2製造棟の建て替える形で建設を進めてきた。稼働開始時期は2016年1〜3月を予定し、このほど、建屋の一部が完成した。なお、建屋全体の完成は2016年前半を予定している。新・第2製造棟での具体的な生産能力、生産計画等については、「市場動向を踏まえ、今後決定していく」(東芝)とする。
建屋内部の設備投資については、東芝四日市工場の他の製造棟と同様に、東芝とSanDiskが共同で実施することで正式に合意。両社は、3D NANDの生産体制の構築を進めるとともに、今後、その生産効率を一層向上させるために、成膜、エッチングなどの最先端装置を順次導入する計画だとしている。
米メディアで身売り検討が報じられる
なお、SanDiskは、2015年10月に一部の米メディアが「身売りを検討し、米Micron TechnologyとWestern Digitalが買収に名乗りを挙げている」と報じられる*)など、東芝との提携を含め、その動向に注目が集まっている。
*)関連記事:SanDiskが身売り検討か
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