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ルネサスが“クルマ”を売る!? その真意とは「DevCon 2015」で披露(1/3 ページ)

ルネサス エレクトロニクスは米国で開催した「DevCon 2015」で、同社のADAS(先進運転支援システム)向けの最新SoCなどを搭載した自動車を披露した。実は、この自動車は、自動運転車などの開発を促進すべく同社が発表した“プラットフォーム”である。

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 米国カリフォルニア州オレンジカウンティにて、プライベートイベント「DevCon 2015」(10月12〜15日)を開催したルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)。約1400人の登録者のうち、車載分野に携わる人間は約3割を占めた。IHSが2015年3月に発表した、2014年における車載半導体サプライヤーのランキングで、ルネサスは首位を維持している*)。今回のDevCon 2015で主要テーマの1つとなっていた設計基盤「Renesas Synergyプラットフォーム」は車載以外の用途を狙ったものだが、展示やセッションでは車載分野に関するものが圧倒的に多く、同社の車載半導体に対する意気込みを示していた。

*)関連記事:2014年 車載半導体シェア、ルネサスが首位を維持

クルマ1台を丸ごとプラットフォームに

 とりわけ注力していたのが、ADAS(先進運転支援システム)関連の技術だ。ルネサスはDevCon 2015に先立ち、車車間・路車間通信(V2X)用5.9GHz帯無線SoC「R-Car W2R」や、車載カメラネットワーク向けSoC「R-Car T2」を発表した。いずれもADAS分野に焦点を当てた製品となっている。

 DevCon 2015では、ADAS技術を搭載したデモカーが披露され、来場者が試乗できるようになっていた。このデモカーは、スマートカーを製造するためのオープンプラットフォーム「Renesas Skyline Fleet(以下、Skyline Fleet)」である。Renesas Electronics America(以下、REA)が、DevCon 2015の期間中である10月13日(米国時間)に発表した。ADAS技術を搭載したクルマや自動運転車の早期開発を目指すもので、要はクルマ1台を丸ごとプラットフォーム化したのである。同プラットフォームでは、自動運転車向けのソフトウェアを手掛けるHarbrickやArada Systems、eTrans、3次元(3D)サラウンドビュー関連技術などを手掛けるCogent Embedded、アプリケーションソフトウェアをデバイスに実装するサービスを提供するNewFoundryと協業している。

 Skyline Fleetには、8個のライダー(レーザーレーダー)、5個のレーダー、小型カメラを搭載している。レーダーやカメラで収集したデータを処理するのは、車載情報機器向けのハイエンドSoC「R-Car H2」だ。これがセンサーフュージョンの役目を担っている。さらに、V2X通信向けに、エントリークラスのSoC「R-Car E2」とR-Car W2Rも搭載。ルネサスの車載向け先端技術を詰め込んだプラットフォームとなっている。

「Renesas Skyline Fleet」前方に取り付けられたライダーサイドミラー上部にはカメラ 左=「Renesas Skyline Fleet」 / 中央=前方に取り付けられたライダー / 右=サイドミラー上部にはカメラが搭載されている(クリックで拡大)
「R-Car H2」や「R-Car W2R」を搭載したボードR-Car H2を搭載したボードR-Car W2Rを搭載したボード 左=リアゲートを開けると、「R-Car H2」や「R-Car W2R」を搭載したボードがお目見え / 中央=R-Car H2を搭載したボード。センサーフュージョンの役割を果たす / 右=R-Car W2Rを搭載したボード(クリックで拡大)

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