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ルネサスが競合とも手を取り、開発を進めるCIS「R-Carコンソーシアム」の定例イベント(2/3 ページ)

ルネサス エレクトロニクスは、自動走行技術をテーマに、パートナー各社が連携しCIS(Car Information System:車載情報システム)ソリューションを開発する「R-Carコンソーシアム」の活動報告などを行う定例イベントを開催した。統合コックピットやADAS向けのソリューションが多数紹介されたので、その一部を紹介する。

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PUXの顔認識ソフトウェア「FaceU」

 次に紹介するのは、ソフトウェア設計開発企業のPUXの顔認識ソフトウェア「FaceU」とR-Carを組み合わせたシステムのデモだ。今後、自動車では、搭乗者数や搭乗位置、搭乗者が誰であるかなどの検知を行い、シート位置など搭乗者に応じた制御を行う用途で活用することが検討されている。将来的には、自動運転において運転者が居眠りをしてないか、スマートフォンのゲームをしてないかといった検知が必要になるとされる。

 デモでは、R-Carシリーズ上に、ディープラーニングを活用して認識精度を向上させたFaceUを実装し、ドライバーの顔検出/認証だけでなく、瞬きや性別、年齢、笑顔であるかどうかなどの検出が行える様子を披露した。


顔認識ソフトウェア「FaceU」のデモの様子 (クリックで拡大)

競合ともクローズドではなくオープンに

 ルネサスがロームと大阪エヌデーエスとともに取り組むのは、アナログボリューム回路を用いた車室内の音質補正である。一般的な音質の向上には、デジタルボリュームからD-Aコンバータ、ポストフィルターに送られる。今回披露されたデモでは、ポストフィルターの後にロームのアナログボリューム回路「Sound Processor BU32100」を搭載し、ノイズ源であるポストフィルターの後に音量調整をすることで、ノイズを約10分の1に減らしたという。


DSP内蔵サウンドプロセッサによる車室内音質補正と高品質アナログボリューム回路を用いた音質向上デモ。ボリュームがないときは、アナログボリュームとデジタルボリュームのノイズに差はない (クリックで拡大)

−20dBのときにおける音質の比較(デジタルボリュームの線が分かりにくくなっているので、青色の枠で囲んでいる)。アナログボリューム回路を用いた音質の方がノイズを低減していることが分かる (クリックで拡大)

 大阪エヌデーエスは、ソフトウェア開発を担当。ルネサスは、競合のロームを含めた3社で開発することに対して、「自動車の運転時における静かさが向上するとともに、オーディオのノイズ源を減らす必要が出てきた。そこで、ボリュームの切り替えにおいて独自の技術を持つロームと一緒に、お互いの強みを生かして取り組んでいけたらと開発に着手した。(ルネサスにとってロームは)競合ではあるけれど、R-Carコンソーシアムでは、オープンに連携していきたいと思っている」とルネサス車載情報戦略部で部長を務める吉田正康氏は語った。

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