ルネサスが競合とも手を取り、開発を進めるCIS:「R-Carコンソーシアム」の定例イベント(3/3 ページ)
ルネサス エレクトロニクスは、自動走行技術をテーマに、パートナー各社が連携しCIS(Car Information System:車載情報システム)ソリューションを開発する「R-Carコンソーシアム」の活動報告などを行う定例イベントを開催した。統合コックピットやADAS向けのソリューションが多数紹介されたので、その一部を紹介する。
2016年度3月末にはパートナーが200社に
R-Carコンソーシアムは、前身となる「SH-Naviコンソーシアム」から設立11年目を迎える。2014年に約140社だった加盟社は、168社(2015年10月23日現在)となり、2016年度3月末には200社を超える見込みだという。「自動車の技術が複雑化したことで、自社だけの開発が難しくなた。R-Carコンソーシアムでパートナーと一緒にサポートをすることで、1社ではできなかったことが実現できる」(ルネサス車載情報システム事業部の事業部長を務める鈴木正宏氏)といった背景がある。
カーナビ用プラットフォームとして展開が始まった「R-Car」であるが、「R-Car H2」など第2世代シリーズでは統合コックピット向けSoCとして進化。さらには、車載カメラネットワーク用SoC「R-Car T2」やV2X向け5.9GHz帯無線SoC「R-Car W2R」といったADASに求められる各種機能に特化したSoC製品の展開も始めた*)。第2世代R-Carシリーズは、2015年後半には全ての量産を開始する見込みで、既に多くの車やアフターマーケットに活用されているという。第3世代R-Carシリーズについては、「詳しくは話せないが、車の価値をより高くするUX(User Experience)の高い製品を展開することで、皆さんを『わっ』っと驚かせられると思う」(ルネサス)とし、現在開発を進めている段階にある。
*)関連記事:「ルネサス、V2X向け5.9GHz帯無線LSIを製品化」、「ルネサス、車載カメラ映像を高速圧縮するSoC」
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