アナログに続き、センサーでもリーダーになる:Maxim Integrated CTO Tony Stratakos氏(3/3 ページ)
アナログ半導体メーカーMaxim Integrated(マキシム インテグレーテッド)のCTO(最高技術責任者)に2015年8月に就任したTony Stratakos氏が来日し、EE Times Japanのインタビューに応じた。同氏は「Maximの業界でのリーダー的地位をさらに高めていく」とCTOとしての抱負を語った。
日本の自動車市場を重要視
EETJ CTO就任から間もないですが、来日を果たされました。今回の来日の目的をお聞かせください。
Stratakos氏 個人的にも、会社としても、日本市場、とりわけ日本の自動車市場を重要視している。
Volterra Semiconductor時代にも、自動車市場は成長領域として注目してきたが、会社規模が小さく、自動車向けビジネスには参入できずにいた。そうした中で、規模の大きなMaximに移り、自動車市場で必ず成功したいと考えている。Maxim自体も、これまでは自動車市場で、あまり強くなかったが、近年、本格的に自動車分野に参入し、2015年度の自動車向け売上高は2014年度比23%増という急速な成長を遂げるなど、成功を収めつつある。そうした自動車市場での成功を引っ張っているのが、日本法人で、2016年度には日本法人売上高の半分を自動車向けで占める計画になっている。
こうした成功をさらに大きなものにしていくためには、“品質に対し一切妥協しない”という規律を持った組織、企業文化を育てていかなければならない。信頼性、品質を追求し続ける日本の顧客に学びながら、さらにわれわれの自動車ビジネスを大きくしていく方針であり、今回の来日もその一貫だ。
EETJ 自動車向けでの技術開発の方向性は?
Stratakos氏 これまでMaximの自動車ビジネスは、インフォテインメント向けが中心だったが、今後はセーフティ分野などより走行と関わる重要な部分へもカバー領域が広がる。2014年に日産自動車の北米市場向けハイブリッドSUV「パスファインダー ハイブリッド」に当社の車載二次電池セル監視ICが採用されたと発表したが、今後もこのような採用事例が増えていくことになるだろう。
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