サンディスクが単価1ドル/GB以下の「InfiniFlash」:フラッシュストレージの価格破壊に挑戦!(2/3 ページ)
サンディスク(SanDisk)は、エンタープライズ向けオールフラッシュストレージプラットフォーム「InfiniFlash」について、日本市場でも2015年11月中旬より供給を始める。3Uサイズの筐体で最大容量512TB(テラバイト)を可能にするとともに、ギガバイト単価を1米ドル以下にするなど低コストを実現した。
IOPSは100万回以上
続いて、Swaminathan氏が新製品の概要を紹介した。InfiniFlashは、3Uサイズの筐体にホットスワップ可能な8TBの専用フラッシュカードを、8枚から最大で64枚実装することが可能である。これによって64TBから最大512TB(未フォーマット時)の記憶容量を実現することができる。3Uの筐体を2台用いると、1PB(ペタバイト)の容量となる。
IOPS(Input Output Per Second)は100万回以上で、スループットは最大9GB/秒である。筐体当たり最大8台の標準的なサーバとSAS接続することが可能だ。また、筐体には冷却ファンを4個装備し、電源ユニットは2系統を内蔵するなど、システムの冗長化により信頼性、可用性、保守性を高めている。
InfiniFlashは、電力効率にも優れているという。通常時の消費電力は500Wで済み、アイドル時で150W、最大でも750Wである。Swaminathan氏によれば、「容量が512TBのHDDシステムであれば、消費電力は数千Wになる」という。
急増するフラッシュストレージの採用
Swaminathan氏は、エンタープライズ向けでフラッシュストレージの採用が急増していることにも触れた。調査によれば、2014年から2019年までの年平均成長率はデータ量が60%増加、出荷台数は40%増が予想されている。これらの分野は現在、HDDアレイが主流となっている市場だが、IoTやビッグデータの拡大に伴って、フラッシュストレージの導入が加速しているという。こうした成長市場に対して、サンディスクがInfiniFlashで本格参入することになる。
同社によれば、HDDベースのストレージアレイに比べて、InfiniFlashは記録密度が5倍、パフォーマンスは50倍、信頼性は4倍となり、消費電力は80%も削減しているという。さらにSwaminathan氏は、「重複排除及び圧縮無しの状態でも、フラッシュストレージでは、ギガバイト単価を1米ドル未満にすることができた」ことを強調した。「競合メーカーの製品は、重複排除や圧縮を行ってもギガバイト当たりの価格は3〜6米ドルと高い」とする。その理由として、「当社は(メモリチップからストレージ装置まで手掛ける)垂直統合を可能としている企業だからこそ(大幅なコストダウンを)実現することができた」と話した。
また、オープンソースの分散ファイルシステム「Ceph」や、NexentaのオープンSDS(Software Defined Storage)を活用することで、InfiniFlashの処理性能や拡張性を改善することができるという。その一例として挙げたのが、フラッシュに最適化されたCephとオープンソースのCephを用いた時の性能比較である。「パフォーマンスを最大12倍に改善することができた」(Swaminathan氏)と述べた。
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