6万人のメイドが“合体”!? EtherCATの通信方式:江端さんのDIY奮闘記 EtherCATでホームセキュリティシステムを作る(5)(2/8 ページ)
今回は、EtherCATにおける4つの通信方式を解説したいと思います。EtherCATには、マスタ(ご主人様)が、スレーブ(メイドたち)の“身上調査”を行うための「SDO通信」用に3種類、“仕事内容”を送信するための「PDO通信用」に1種類の通信方式があります。膨大な量のフレームが飛び交うEtherCAT通信の世界を、さっそくのぞいてみましょう。
EtherCATの通信タイプ
こんにちは。江端智一です。
ネット詐欺*)の被害に遭っているうちに、夏が終わってしまい、いつのまにか秋になってしまいました。
*)実録! ネット詐欺(前編):“ネットワーク研究者”がネット詐欺に遭った日
そこで、これまでの連載の内容を思い出してみたいと思います。
【第1回】EtherCATって結局なに? 〜「ご主人様」と「メイド」で説明しよう
解説:EtherCATの概要
実施:EtherCATスレーブのLEDがピカピカ光る映像
【第2回】EtherCAT通信の仕組みを知ろう 〜メイドは超一流のスナイパー!?
解説:PDOと、Ethernetフレームによる、EtherCATのデータ交換方法
実施:SOEM(PCのEtherCATマスタ)のサンプルプログラムのコンパイル方法
【第3回】「老人ホーム 4.0」がやって来る
解説:SDOとメールボックス通信
実施:Light ethercat slave(スレーブエミュレータ)の構築
【第4回】ご主人様とメイドはテレパシー通信をしている?
解説:EtherCATスレーブのメモリ構成
実施:SOEMのデバッグ・トレース環境の構築
後輩から、「今回の連載が、EtherCATのどの辺を解説しているのか分からない」とも言われていますので、今回のターゲットも含めて、図示してみます。
この後、ざっくり3つほど説明できれば、EtherCATの全体を一通り説明できることになるかなぁと思っています。
具体的には、(1)EtherCATの通信タイプ、(2)SDOやPDOのオブジェクトの構造、そして、(これが恐ろしく面倒なのですが)(3)Ethernetフレームから、SDO、PDOを経て、DI/DOやらAI/AOにアプリケーションデータが届けられるまでの仕組み(その逆方向も)です。
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