ADIが独自絶縁部品「iCoupler」新シリーズ発表:信頼性を改善し、耐ノイズ性能高める
Analog Devices(アナログ・デバイセズ)は2015年10月、独自のトランス応用型絶縁技術「iCoupler デジタル・アイソレーション」を用いたデバイスとして、従来よりも信頼性を改善し、耐ノイズ性能を高めた新製品5種類を発表した。
Analog Devices(アナログ・デバイセズ/以下、ADI)は2015年10月、独自のトランス応用型絶縁技術「iCoupler デジタル・アイソレーション」を用いたデバイスとして、従来よりも信頼性を改善し、耐ノイズ性能を高めた新製品5種類を発表した。医療機器や産業用ロボットなどの用途向けに展開する。
iCoupler デジタル・アイソレーション技術は、ポリイミド絶縁体を2個のマイクロトランスで挟み込んだ絶縁構造を利用した絶縁デバイス。これまでに14億チャンネル分のデバイス出荷実績があるという。今回、高速のCMOSモノリシック空芯変圧器技術とオン・オフ変調(OOK:オン・オフ・キーイング)アーキテクチャの組み合せにより、「これまでにない最高の耐ノイズ性能、最小のEMIおよび、最高のサージ機能を提供する」という。
新製品は、16kVpkでテスト済みのサージ保護性能が特長で、最大5kVRMSの定格電圧に耐えることができる。動作電圧は600VRMS。伝送速度は、150Mビット/秒(bps)、伝搬遅延は最大13ナノ秒となっている。電源電圧範囲は1.7〜5.5V。
新製品は、1チャンネル搭載で耐圧3kVRMSの「ADuM110」(パッケージ:8ピンSOIC N)や、4チャンネル搭載で耐圧5kVRMSの「ADuM24x」(同:16ピンSOIC W)など、1〜4チャンネル品があり、いずれも前世代品とピン互換になっている。
価格は1000個購入時、ADuM110が単価1.29米ドル、ADuM24xが同3.15米ドルとなっている。ADIでは、今後、さまざまなパッケージ、チャンネル数の製品を提供する予定としている。
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