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精度を維持し体積1/16に、エプソンの原子発振器:通信インフラ用装置などの小型化に貢献
セイコーエプソンは、高安定で小型の原子発振器「AO6860LAN」を開発した。長期周波数安定度は従来製品と同等ながら、体積は1/16と小型である。通信ネットワーク機器や放送機器、産業機器、計測機器などの周波数源に向ける。
セイコーエプソンは2015年11月、高安定で小型の原子発振器「AO6860LAN」を開発したと発表した。長期周波数安定度は従来製品と同等ながら、体積は1/16と小型である。通信ネットワーク機器や放送機器、産業機器、計測機器などの周波数源に向ける。
新製品は、内製したレーザー素子VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)や、独自に設計した専用ICを用いた。これにより、同社がこれまで供給してきた原子発振器と比べて、長期周波数安定度は同等の性能を維持しつつ、体積は75ccと小型にした。これは従来製品の体積1200ccに比べて、1/16という形状である。また、制御システムを最適化することで、消費電力は従来製品に比べて1/6となる3Wに抑えた。
AO6860LANの主な仕様は、短期周波数安定度が0.05ppb、温度周波数安定度は±0.2ppb(0〜50℃)、長期周波数安定度は±0.05ppb/月、外形寸法は68×60×18mmとなっている。新製品は2016年より量産を始める予定である。
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