不揮発性メモリを脳神経コンピューティングに活用:福田昭のデバイス通信 IEDM 2015プレビュー(7)(3/3 ページ)
今回はセッション16〜18の講演を紹介する。セッション17では、不揮発性メモリを利用したニューロモルフィックシステム(脳神経系を模倣した低消費電力システム)の講演が相次いだ。
接触ギャップが5nmと微小なナノサイズのリレー
セッション18(プロセス技術と製造技術)のテーマは「N/MEMSの共振器とセンサー、アクチュエータ」である。テーマの通り、極めて微小な電気機械素子の研究成果が続出する。
University of California, Berkeleyは、ナノメートルサイズの論理リレー(NEMロジックリレー)でエネルギー遅延時間積を最適化する手法を提唱する(講演番号18.1)。一般的にはリレーの硬さを減らすことがスイッチング・エネルギーの最小化に結び付く。この研究ではリレーのバネ定数を相対的に大きくすることでスイッチング・エネルギーを小さくした。接触ギャップがわずか5nmと小さなNEMロジックリレーでエネルギー遅延時間積を最適化して見せる。
Tsinghua Universityは、共振周波数が最大14GHzと高い表面弾性波(SAW)トランスデューサを試作し、その概要を発表する(講演番号18.6)。トランスデューサの材料はニオブ酸リチウム(LiNbO3)、配線幅は30nmと極めて細い。
Korea Advanced Institute of Science and Technology (KAIST)を中心とする研究チームは、多孔質の高分子フィルムを摩擦電気エネルギーの収穫素子に活用することを提案する(講演番号18.7)。多孔質層を摩擦帯電層としたときの出力特性を解析した。
(次回に続く)
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