8K TV受信機用評価ボード、2016年夏にも供給:次世代8K放送にいち早く対応
ソシオネクストは、「組込み総合技術展Embedded Technology 2015(ET2015)」で、次世代の8K TVソリューションをパネルで紹介した。8K受信機に必要となるLSIを開発中で、2016年夏までには必要なLSIを実装した開発用評価ボードを提供していく予定だ。
ソシオネクストは、2015年11月18〜20日のパシフィコ横浜で開催されている「組込み総合技術展Embedded Technology 2015(ET2015)」で、8K放送に対応するTVソリューションをパネル展示するとともに、自由視点が可能な全周囲立体モニタシステムなどのデモ展示を行った。
同社は、「TV/ディスプレイ・ゾーン」、「カメラ・ゾーン」及びシステム開発の期間短縮を支援する「メソドロジ・ゾーン」の3ブロックに分けて、開発中の最新技術や新製品を紹介した。注目技術の1つが、TV/ディスプレイ・ゾーンで紹介している8K TV向けのソリューションである。
8K TV受像機向けに新たに開発している主なチップは、「高度BS復調LSI」と「8K HEVCデコーダLSI」である。これ以外に、すでに量産/実用化されている4K DTVシステムチップ、及びTVメーカーが独自のノウハウを生かし製品の差異化を行うための表示用ASICと、4種類のチップを用いて、主要な回路を構成するという。
開発中のLSIについて詳細な仕様などは明らかにしなかったが、「現在は8K受信機に必要な同様の回路を、高性能FPGAを用いて実現している。その数は20個程度になる。開発中のチップを用いると4種類で済む。これらのLSIを実装した受信機モジュールは、A4サイズのプリント基板で実現することが可能である」(説明員)と話す。これは市販されるテレビ受像機の裏面に実装可能なサイズである。開発中の8K HEVCデコーダLSIについては、すでにテープアウトしたことも明らかにした。
見たい場所を、見たい位置から、見たい角度で
カメラ・ゾーンでは、全周囲立体モニタシステムや画像認識エンジン、車載向け周辺監視ディスプレイ、セキュリティカメラソリューションなどを紹介した。全周囲立体モニタシステムは、四方に向けて取り付けた4個のカメラ映像を入力し、360°つなぎ目のない映像に加工し表示するシステムである。従来の駐車支援システムなどでは上位方向からの視点で360°の映像を作り出していた。
今回の技術は、上下左右、あるいは外部からの自由な視点で映像を表示させることができる。つまり、「見たい場所を、見たい位置から、見たい角度で」確認することができるシステムだ。入力はカメラ6個まで対応できるシステムのため、大型バスやトラックなどにも適用することが可能である。
これとは別に、開発中の画像認識エンジンもパネル展示した。ボード形状となっており、PC拡張スロットに追加すると、映像の中から100人以上の人物をリアルタイムに検出/追跡することができる性能を実現することができるという。この技術を全周囲立体モニタシステムなどと組み合わせることで、高速道路に合流する際の後方確認や、接近してくる車両の確認なども可能となる。
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