1万件のデータ記録が可能な12gのセンサーロガ―:256Kバイトのメモリを内蔵
FDKは、2015年11月18〜20日にパシフィコ横浜で開催された「IoT Technology 2015」で、11月16日に発表した1万件のデータ記録が可能なセンサーロガ―「ちょいロガ」を展示した。
FDKは、2015年11月18〜20日にパシフィコ横浜で開催された「IoT Technology 2015」で、11月16日に発表したセンサーロガ―「ちょいロガ」を展示した。ちょいロガは、加速度/地磁気/温度/湿度/気圧/照度センサーを内蔵。人の首にかけたり、モノにぶら下げたりする使い方を想定しており、介護現場の見守りや工事現場の作業管理に適しているという。
ちょいロガの大きさは50.0×45.0×5.05mmで、重さは12g。リチウム二次電池を内蔵し、約12時間連続で稼働する。充電はUSB経由で行うことができ、約8時間で充電可能だ。通信は、Bluetooth Low Energy(BLE)で、通信距離は5〜10mとしている。
256Kバイトのメモリを内蔵
ちょいロガの特徴的な点は、デバイス自体に256Kバイトのメモリが内蔵されている点にある。これにより、各種センサーのデータを1万件記録できるという。IoTによるセンサーシステムは、収集されたデータをクラウド上に送るケースが多いだろう。同社によると、「クラウドを活用するケースも多いが、デバイス自体で、データを記録したいニーズはあると考えている」とした。
データを記録する機能を搭載した原点は、同社が2014年11月に発表したセンサービーコンにある。同センサービーコンを顧客に提案する中で、「繰り返し使用したい」「データを記録したい」という要望が多くあったという。そこから、富士通アドバンストエンジニアリングと共同で開発を行い、2015年5月にちょいロガの試作品が発表された。
今回発表されたちょいロガは、機能面では試作品と変わらないが、設計の高密度化を行ったことで、縦15%/横21%/厚さ22%の小型化と約50%の軽量化を実現している。
今後はエネルギーハーベストに
今回、同社は「自社のシステムにあった設定変更を行いたい」という要望から、開発キットの提供も開始。開発キットも合わせて、2016年1月より販売を開始するとしている。
ちょいロガの今後の展開として、同社は「従来と同様、デバイスの小型化を進めていく。小型化に伴い電池容量の問題も出てくるが、エネルギーハーベストのような形で非接触充電を2〜3年後に実現したいと考えている」と語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 量子ドットセンサー、CMOSセンサーの脅威に?
米国のInVisage Technologiesが、量子ドットフィルムを用いたイメージセンサー「Quantum13」を発表した。同社は「Quantum13は、シリコン(Si)のイメージセンサーの性能に勝る」と強調している。 - ドライアイ予防に効果? まばたき検知センサー
ソシオネクストは、慶應義塾大学と共同で、24GHz電波センサーモジュールを使った非接触型のまばたき検知センサーシステム(試作)を開発した。ディスプレイを凝視することなどで起こるドライアイの予防システムや、自動車の居眠り運転防止装置などへの応用を目指すという。 - 未来の体温計は貼り付けて赤ちゃんの邪魔をしない
オムロン ヘルスケアは、独自のセンサー構造とアルゴリズムにより体の表面温度から体温を測定する、小型貼り付け体温測定技術を開発したと発表した。乳幼児や高齢者の体温変化管理、屋外作業者の熱中症予防に応用できるという。同技術は、「CEATEC JAPAN 2015」で展示されている。 - IoTを加速? 土に直接埋め込めるセンサー
ラピスセミコンダクタは2015年10月2日、酸性度(pH)や水分量、温度といった土壌環境を、土に直接埋め込んでリアルタイムに測定できるセンサーを開発したと発表した。