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GaNの「最小」ACアダプター、充電時間も1/3に効率は87%を達成(2/2 ページ)

富士通研究所は、窒化ガリウム(GaN)高電子移動度トランジスタ(HEMT)パワーデバイスを用いて、モバイル端末などの急速充電を可能にする12W出力の小型ACアダプターを開発したと発表した。

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環境負荷低減にも貢献

 今回、2次側の制御ICとGaN-HEMTの間に、新しくタイミングを制御する回路を導入。制御ICが生成する電圧の波形を調整することで、高速動作による損失電流発生を抑制でき、GaN-HEMTの低い動作抵抗を生かしながら、適切なタイミングで電流を出力できるという。これにより、ACアダプターの効率を高め、小型/高出力化を実現している。


今回開発した2次側スイッチ素子周辺の電圧と電流の変化 (クリックで拡大) 出典:富士通研究所

 さらに、GaN-HEMTの特性を生かしたことで無駄な電力を削減。米国エネルギー省が2016年2月に施行する外部電源(EPS)の効率基準「Level-VI」にも対応可能になるという。CO2排出量が削減され、環境負荷低減にも貢献するとしている。


今回開発したACアダプターの出力電圧と効率 出典:富士通研究所

 富士通研究所は今後、同技術の小型/高効率化を進め、2017年度中の実用化を目指すという。ノートPCなど高出力な回路への展開も進める予定。今回試作したACアダプターは、2015年12月10〜12日に開催される「エコプロダクツ2015」に展示予定である。

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