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東芝 民生大幅縮小、虎の子ヘルスケア売却で生き残り残るのは「ストレージ」と「エネルギー」(1/2 ページ)

東芝は2015年12月21日、経営再建に向けた経営施策「新生東芝アクションプラン」を発表した。東芝メディカルの株式を売却し資金確保を進めつつ、PC、テレビ、家電、HDDといった赤字事業の構造改革を2015年度(2016年3月期)中に実施し、2016年度以降の黒字化を目指す。

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2015年度中に全ての赤字事業の改革に着手

 「2016年度からV字回復を果たす」。新たな経営施策を説明するために開いた会見で東芝社長の室町正志氏が繰り返した。不正会計問題発覚ともに浮上した“構造改革の遅れ”を取り戻すべく、2015年度内に全ての赤字事業の構造改革に着手する。


経営施策「新生東芝アクションプラン」の概要 (クリックで拡大) 出典:東芝

 現状の東芝の主な赤字事業は、PC、テレビなど映像機器、白物家電、HDD、システムLSI、ディスクリート半導体。システムLSI、ディスクリート半導体については、2015年10月にリストラ策*)を発表し、構造改革に着手済みだ。

*)関連記事:東芝 半導体リストラ、1200人が異動/退職へ

 この日、構造改革を発表したのはPC、映像機器、白物家電という同社ライフスタイル部門の3事業だ。

ライフスタイル部門の構造改革策の骨子。左からPC事業、映像事業、白物家電事業 (クリックで拡大) 出典:東芝

生産台数を絞って黒字化

 PC事業は、社内カンパニーである「パーソナル&クライアントソリューション社」を分社化し、業務用PCの国内販売会社である東芝情報機器と統合。その上で、業務用PC事業への注力を進め、コンシューマー用PCについては、業務用PCの自社生産、設計能力の範囲内での展開に留める方針。外部への設計製造委託は中止する。これにより、PCのプラットフォーム数は現在の3分の1以下に削減される。販売台数も現行の年700万台から年300万台となるが、「販売台数を絞り込んで、利益が出る体質に転換する」(副社長 綱川智氏)とした。

 テレビを中心とした映像事業は、海外での自社事業を終息させ、国内事業に注力する。海外では、ブランド供与型ビジネスのみを残す。また国内事業も、販売台数を60万台に絞り込んで、黒字体質への転換を図る。販売規模を抑えてまで事業を継続させる理由として室町氏は「画像処理技術など映像事業の技術は、グループ全体に影響する」とした。

 白物家電事業は、製造拠点の集約、人員削減などを進め黒字化を図る方針。2槽式洗濯機はインドネシアの生産工場を閉鎖し、自社での製造、販売を終了させる。

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