中国中堅タブレットにみたIntelの執念:製品分解で探るアジアの新トレンド(1)(3/3 ページ)
“グローバル競争の主戦場・アジア”に出回るスマートフォンやタブレット端末などエレクトロニクス製品の分解を通じ、アジアから発信される新たなテクノロジートレンドを探っていく新連載「製品分解で探るアジアの新トレンド」。第1回は中国のスマートフォン/タブレット市場で「シェア第2グループ」に属するメーカーのタブレット端末2機種を分解して見えてきたトレンドを紹介する。
4チップ構成ではない「SoFIA」
図3にIntelのSoFIAチップセットを用いる2機種のタブレット端末のメインボードを掲載する。
2つのメインボードは、ほぼ同じ形状と端子を持っている。搭載される主なチップは2チップ構成のSoFIA、センシング系デバイス2つ(タッチセンサー+3軸加速度)と、メモリ、だけである。
「ALL Digital 1CHIP,ALL Analog 1CHIP」で採用を勝ち取った!
SoFIAプラットフォームは「1.」と「2.」のデジタル部分を1チップ化し、もう1つは、「2.」のアナログ部分と「3.」、「4.」を1チップ化している。
別の言い方をすれば、「ALL Digital 1CHIP,ALL Analog 1CHIP」という構成である。「ALL Digital 1CHIP,ALL Analog 1CHIP」は、古くから理想のチップセット構成とされ、多くの半導体メーカー開発に取り組んできた考え方だ。
スマートフォンやタブレット対応に出遅れたといわれているIntelだが、SoFIAプラットフォームによって、全てのメーカーが次に目指す「ALL Digital 1CHIP,ALL Analog 1CHIP」を真っ先に実現したのだ。しかも、最新OSであるAndroid5.1のタブレット対応として実現した。今回、中国中堅2社のタブレット端末を分解し、Intelの凄さ、執念を垣間見ることができた。
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