流れるウインカーを容易に実現、LEDドライバIC:国際カーエレクトロニクス技術展
ロームは、「国際カーエレクトロニクス技術展」において、次世代LEDドライバIC製品として、降圧LEDドライバ/マトリクススイッチコントローラICや車載RGB LED向け24チャネルドライバICなどの新技術/新製品を紹介した。
ロームは、「国際カーエレクトロニクス技術展」(2016年1月13〜15日、東京ビッグサイト)において、次世代LEDドライバIC製品として、降圧LEDドライバ/マトリクススイッチコントローラICや車載RGB LED向け24チャネルドライバICのデモ展示を行った。
ヘッドライトやウインカー、車室内照明などの用途で車載向けLEDチップの需要が拡大している。同時に、搭載したLEDチップのオン/オフ制御に対する要求も多様化している。会場でデモ展示した次世代LEDドライバIC製品もこうしたニーズに対応したものである。
降圧LEDドライバ/マトリックススイッチコントローラICは、複数のLEDを順次点灯させるシーケンシャルターンシステム(いわゆる流れるウインカー)を容易に実現することが可能な専用ICである。
高速応答の降圧LEDドライバICは、LED灯数が変更になっても、瞬時に安定した電圧/電流を供給することができる。また、マトリクススイッチコントローラICは、外部のMCUから任意の点灯パターンを制御することができるMCUコントロールタイプと、順次点灯と全点灯の制御パターンをチップに内蔵したスタンドアロンタイプを用意しており、用途に応じて選択することができる。このコントローラICは、1チップに8個のスイッチを内蔵している。これを2個用いると、16個のLEDチップを点灯制御することが可能である。
「2014年10月の法規改正により、シーケンシャルターンシステムが認可された。LEDドライバICとマトリックススイッチコントローラICをセットで利用することにより、容易にシーケンシャルターンシステムを実現することが可能である。従来システムに比べて部材コストも低減することができる。また、直列接続のLEDチップにオープン不良が生じても、不良LEDチップ以外は点灯させ続けることができる保護回路も内蔵した」(説明員)と話す。
降圧LEDドライバ/マトリックススイッチコントローラICは現在開発中だが、2016年夏ごろにはサンプル出荷が可能となる予定だ。2016年中には量産出荷を目指している。
細やかな色制御を実現
車載RGB LED向け24チャネルドライバIC「BD2808MUV-M」は、各チャネル独立した8ビットのPWM調光機能を内蔵した定電流LEDドライバICで、細やかな色制御を行うことが可能となる。また、RGB専用の6ビット電流D/Aコンバータを搭載している。これにより、外付け部品の点数を削減できるという。
BD2808MUV-Mは、クラスタパネルや車室内外照明用のLED駆動に向ける。一例だが、運転モードによって、室内照明を赤色系(スポーツ運転モード)や緑色系(エコ運転モード)にするなど、状況に応じて変化させることができる。車載カメラなどとの連動で、車両周辺に物体が近づいたときに赤色を発光して運転者に注意を喚起する、といった用途も考えられる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ローム、Wi-SUN HAN認証を取得
ロームは2015年11月27日、同社製特定小電力無線通信モジュールが、無線通信規格「Wi-SUN」の新規格「Wi-SUN Profile for Echonet Single-Hop HAN」(Wi-SUN HAN)の認証を取得したと発表した。 - 面積36%減、ローム「世界最小」2mm角の気圧センサー
ロームは2015年7月、高度や高低差検出に利用できる、2mm角の気圧センサー「BM1385GLV」を開発したと発表した。従来製品と比較して面積を36%削減。同社では、「世界最小の気圧センサー」という。スマートフォンやウェアラブル機器、活動量計などに向けて展開していく。 - トレンチ構造を用いたSiC-MOSFETを製品化――ロームが6月量産
ロームは2015年4月23日、トレンチ構造を用いたSiC(炭化ケイ素)によるMOSFET(以下、SiC-MOSFET)を開発し、2015年6月から量産すると発表した。 - サイプレス、車載用40nmマイコンを製品化
Cypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)は、車載向け半導体事業戦略について、記者発表会を東京都内で開催した。この中で、同社の車載用MCUファミリー「Traveo」としては初めてとなる40nmプロセス製品を発表した。