TI、スコットランド工場を閉鎖へ:米国メーン州の工場に移管
Texas Instruments(TI)は、スコットランドに保有する製造工場を2019年までに閉鎖すると発表した。米国の200mmウエハー生産工場に移管する予定だ。現時点では、工場閉鎖に伴う人員削減の予定はないとしている。
Texas Instruments(TI)は2016年1月27日(米国時間)、2015年第4四半期(10〜12月期)の業績発表を行い、スコットランド西部のグリーノック(Greenock)にある同社工場を2019年までに閉鎖する予定であると明かした。
同社は今後数年の間に、グリーノック工場を段階的に廃止していくという。150mm/200mmウエハー対応である同工場での製造品については、ドイツや日本、米国メーン州にある、よりコスト効率の高い200mmウエハー工場に移管する予定だ。
TIの広報担当者は発表資料の中で、「当社は引き続き、世界各国の自社工場について、コスト効率や生産能力などのさまざまな要素を検討しながら、見直しを進めていく。当社製品の高性能化が進むに伴い、各工場の生産能力やコスト効率などを検討する必要が生じてきたためだ」と述べている。
また同社によると、2017年後半までは、グリーノック工場の閉鎖に伴う人員削減を行わない予定だという。同工場の従業員数は、約365人である。
TIのスコットランド担当マネジャーを務めるGerry McCarthy氏は、同じ発表資料の中で、「グリーノック工場は、従業員の能力や責任が問われて閉鎖されるのでは決してない。工場そのものの効率性に問題があるためだ」と述べている。
同工場はもともと、National Semiconductorの工場だったが、TIが2011年にNational Semiconductorを買収したことにより、TIが所有することになった。
TIは、グリーノック工場の閉鎖に伴い、2018年までに約4000万米ドルの損失が発生する見込みだとしている。一方、よりコスト効率の高い工場へと生産を移管することで、1年間当たり約3500万米ドルのコストを削減できる予定だという。
売上高は減少傾向
TIの業績発表によると、2015年第4四半期の売上高は31億9000万米ドルで、前四半期比では7ポイント減、前年同四半期比では2ポイント減となった。利益は8億3600万米ドルで、前四半期比では5ポイント増、前年同四半期比では1ポイント増だったという。
TIの2015年第4四半期の売上高は、アナリストたちの予測をわずかに下回る結果となった。しかし、1株当たりの利益については、アナリストの予測を上回る0.80米ドルだったという。
2015年通年のTIの売上高は130億米ドルで、2014年の130億5000万米ドルからわずかに減少している。利益は29億7000万米ドルで、2014年の28億2000万米ドルから増加する結果となった。
またTIは、2016年第1四半期の予測として、売上高は28億5000万〜30億9000万米ドル、1株当たりの利益は0.57〜0.67米ドルをそれぞれ見込んでいるという。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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