ルネサス、3D表示クラスター用SoCを発表:Cortex-A7を搭載
ルネサス エレクトロニクスは今後、自動車での普及拡大が見込まれる3Dグラフィックスメータークラスターに向けたSoCの新製品を発表した。
ルネサス エレクトロニクスは2016年2月16日、3Dグラフィックスを使用したメータークラスター向けのSoC製品「R-Car D1」のサンプル出荷を開始した。3D表示機能の他、高速起動、機能安全、各種通信に対応したという特長を持つ。サンプル価格は、5000円(税別)。2017年3月から量産を開始する計画。
自動車のメーター(インスツルメント)クラスターシステムは、大型高解像度パネルに3Dグラフィックスを使用したより豊かな表示を行うシステムが増えている。これまで高級車に限られてきた3Dグラフィックスクラスターの搭載車種は、小型車や中級車にも広がりつつある。
R-Car D1は、こうした採用拡大が進む3Dグラフィックスクラスター向けのSoCであり、3DグラフィックスコントローラーIPコアとして、Imagination Technologies製「PowerVR SGX540 core」を搭載する。
クラスターは誤動作を起こすと重大な事故を引き起こす危険があることから、万が一、システムが誤動作した場合でも瞬時に、それを検出することが求められる。そこでR-Car D1は、自動車用機能安全規格「ISO26262」に対応した。さらにハードウェアセキュリティ機能を搭載しているマイコン「RH850」と組み合わせることで外部からのハッキングを防ぐこともできる。
通信機能としては、クラスターシステムとナビゲーションシステムをつなぐEthernetAVB、スマートフォンなどと連携するUSB、車両情報機器をつなぐCAN FDなどに対応している。
ルネサスでは、3Dグラフィックス開発経験の少ないユーザーでもより簡単に開発が行えるようサードパーティー企業と連携した開発サポートを提供する。例えば、クラスターで求められる高速起動については、パートナー企業とともに、高速に起動し、メーター画面の高速起動や、音声出力に対応するソリューションを構築、提供する。
また、ルネサスがこれまで展開してきたゲージ制御と2Dグラフィックス表示を1チップで実現し多くの車種に採用されている「RH850/D1M」と同一の2Dグラフィックスシステムを搭載。これまでのグラフィックス開発資産を有効活用できる。
R-Car D1には、ARM Cortex-A7コア1個搭載タイプ(動作周波数660MHz)と、同コア2個搭載タイプ(同780MHz)がある。サイズは、いずれも27mm角で543ピンFCBGAパッケージを採用している。
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