“バーチャル江端”3人衆、ダイエットに散る:世界を「数字」で回してみよう ダイエット(27)(2/7 ページ)
さて、今回は、私が連載当初から掲げてきたテーゼ「人類は、ダイエットに失敗するようにできている」について考察しましょう。“バーチャル江端”を3人作成し、ファジィ推論エンジンによって、それぞれにダイエットをさせてみたのです。3人の、ダイエットにおける“生き様”をご覧ください。
タイプ1:「0日」挫折タイプ
この「”バーチャル江端” タイプ1」は、最初こそ勢いがありますが、基本的には空腹の苦痛に対して簡単に食べ物を口にしてしまい、それを後悔して、翌日には絶食に近いことをやって ―― と、そのようなことを繰り返しています。
最悪なのが、ダイエットに飽きてくると、ダイエットの開始前よりも、食事の量が多くなって固定することです。これは、『2週間もダイエットした(?)のだから、少しくらいは……』という言い訳と、「体重計に乗らなくなる」ことで、この現象が確定します。
ここに「リバウンド」という名の幻想*)が誕生します。
*)実際は、単に食べ過ぎているだけです(関連記事:安心してください、リバウンドは錯覚ですよ)
タイプ2:「停滞期」挫折タイプ
この「”バーチャル江端” タイプ2」は、肉体的な苦痛に対しては比較的ガマンが効くのですが、精神的苦痛 ―― 「いわゆる『停滞期』」で挫折していくタイプです。
「いわゆる『停滞期』」は、既に、こちらの「ダイエットを“過渡現象”で説明できるか」でも説明している通り、測定誤差による勘違いの可能性もありますし、ダイエットが進めば、落とすぜい肉が少なくなってくるのですから、体重の減少速度が停滞しているように見えることがあるのは、当然なのです。ですが、
―― ダイエットをすれば、体重は時間に比例して減少していく
という、誤った思い込み ―― というか「物理現象に対する無理解」 ―― が引き起こす悲劇だといえましょう。
この「タイプ2」は、潜在的に肉体的な苦痛を乗り越える力はあるので、大変にもったいないと思います。
では、肉体的苦痛も、精神的苦痛も乗り越える力があれば、ダイエットは必ず成功するのか、といえば、その答えは、もちろん「YES」ではあるのですが ―― しかし、その結果は、「ダイエットに成功すること」より、もっと悲惨な結果になることがあります。
「拒食症」です。
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