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メモリ・アーキテクチャの基礎:福田昭のデバイス通信 ARMが語る、最先端メモリに対する期待(4)(2/2 ページ)
今回は、NANDフラッシュメモリ登場後のメモリ・アーキテクチャを見ていきながら、「CPUのメモリに対する要求」を考えていく。
アドレスの幅がメモリ空間の大きさを決める
CPUが直に扱うメモリ空間の大きさ(記憶容量の大きさ)を決めるのは、メモリ・アドレスの幅である。例えば32ビット幅のアドレス(32ビット・アドレス)のCPUが扱うメモリ空間の大きさは、4Gバイト(2の32乗バイト)になる。従って、4Gバイトを超える主記憶(システム・メモリ)を32ビットCPUシステムが搭載しても、4Gバイトを超える部分は直接的には扱えない。CPUが扱えるメモリ空間を拡張する仕組みが必要となる。
一方、64ビット・アドレスのCPUが扱うメモリ空間の大きさは、16エキサバイトにも達する。4Gバイトのおよそ40億倍にもなる膨大な大きさであり、メモリ・アドレスとしては大き過ぎるともいえる。
そこで、現在の64ビット組み込みシステムでは、CPU内部でアドレスの幅を40ビットに狭めることによってメモリ空間を1Tバイトに縮小することが多い。組み込みシステムで1Tバイトを超える主記憶を搭載することは当面、考慮する必要がないからだ。
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