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トレックス、フェニテックを子会社化へ車載/産機向け半導体の安定供給に向け

トレックス・セミコンダクターは、半導体受託製造企業フェニテックセミコンダクターの株式51%を取得し子会社化する。

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 トレックス・セミコンダクターは2016年3月14日、半導体受託製造企業フェニテックセミコンダクターと資本業務提携を結び、子会社化すると発表した。2016年4月1日に、フェニテックが実施する第三者割当増資を約20億円で引き受け、フェニテック株式の51%を保有し、子会社化する。

ヤマハ鹿児島工場を取得


フェニテック本社工場(岡山県井原市) 出典:フェニテックセミコンダクターWebサイト

 フェニテックは、ディスクリート半導体をはじめ、バイポーラIC、CMOS ICの受託製造を手掛ける企業で、岡山県井原市に本社を置く。工場は、岡山地区工場の他、2015年10月にヤマハから譲渡を受けた鹿児島工場(鹿児島県湧水町)を有する。事業規模は、2015年3月期実績で売上高142億円、営業利益11億円となっている。

 トレックスはこれまで、半導体前工程製造拠点を持たないファブレスのビジネスモデルを展開。前工程製造を外部委託する中で、フェニテックとは約半数の製品の製造を委託する協力関係にあった。

競合の米アナログ大手に対抗

 今回、資本提携、子会社化に踏み切る理由としてトレックスは、競合である米国大手アナログ半導体メーカーが車載や産業機器向けの高付加価値製品を協力工場と自社工場をうまく組み合わせ、長期的供給体制を実現する体制を構築し企業価値を生み出していると指摘。その上で、「当社も重点分野である産業機器、車載機器、IoT機器などに向けた高付加価値製品を長期、安定的に、高品質で供給する体制の構築が急務と考えている。そのために従来のファブレス型事業形態を維持しつつ、当社製品に適した製造パートナーを戦略的な提携関係に基づいてグループ内に取り込み、設計技術と製造技術の緊密な融合を進めることが目的」とコメントしている。

 今後、両社は、企業グループとして段階的に一体化を進め、両社の保有する顧客基盤、ブランド、研究開発リソース、販売ネットワークに関わる「総合的な力に磨きをかけ、開発/販売/品質管理などの面でシナジーを実現し、世界トップレベルの競争力と収益力を確立することを目指す」(トレックス)としている。

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