IoTモビリティは“タクシー体験”を変えられるか:VIAとJapanTaxiが新システムを開発(2/2 ページ)
VIA TechnologiesとJapanTaxiは、タクシー向けIoTモビリティシステム「AMOS-825」を発表した。カーナビゲーションとIP無線配車システムを統合し、タッチパネルと接続することで表示/操作が可能だ。JapanTaxiは、タクシー全体を1つのパッケージとしたシステムの開発を進める。
熱処理の課題
車載機器においては、「最初は、カーナビや配車システムなどの機能をまとめたタブレット端末の展開をしたかった」(JapanTaxi)とする。しかし、熱処理の課題やエンジニアのリソース不足などで実現が難しかったという。そこで、協業を始めたのが組み込み機器向けx86プロセッサなどを手掛けるVIA Technologiesである。
VIA Technologiesは、半導体だけでなくシステムやソリューションの標準品も展開している。今回、産業用ファンレスPC「AMOS-820」をカスタマイズし、通信機能への対応と細かい電源管理を行ったことで、AMOS-825を約6カ月で開発したという。タブレット端末単体での展開は、気温が高くなる夏場の車内で電源管理が困難だったため、タッチパネルを組み合わせる構成とし、システム側に電源を置くことで高温環境にも対応した。
「移動で」人を幸せに
JapanTaxiは今後も車載機器の開発を行い、最終的にタクシー運営のソフトウェア/ハードウェア全体をパッケージ化したシステム「AIOS(All-In-One System)」の開発を進める。そうして機器から得られたデータを、新しいタクシー体験を提供できるサービスの開発に応用したり、データそのものを国や地方自治体に販売したりといった展開することで、「『移動で』人を幸せ」にすることを目指すという。
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