今こそ問いたい――そのダイエット、本当に必要ですか:世界を「数字」で回してみよう ダイエット(28)(1/10 ページ)
ダイエットシリーズも、いよいよ最終回です。今回は、私が、150日にわたりダイエットを行った結果として得たメリットとデメリットを紹介します。結局のところ、私たちは「ダイエットに失敗する」という運命から逃れられないのかもしれません。それでも、ダイエットに関する情報は日々氾濫し、その市場が縮小することはないように思われます。だからこそ、こう問いかけたいのです。「そのダイエットは、本当に必要ですか?」と――。
「世界を『数字』で回してみよう」現在のテーマは「ダイエット」。人類の“永遠のテーマ”ともいえるダイエットを、冷静に数字で読み解きます。⇒連載バックナンバーはこちらから
さて、1年近くにわたって長らく続けてきた、このダイエットシリーズも、今回で最終回となります。
それにしても、私は、これほどまでに読者からの反応を感じられない連載を、体験したいことがありません。気分は、「賛同も反論もない世界で、毎月、連載締切日へと飲み込まれてゆく 孤独の観測者」です(シュタインズゲート風)です。
無理もないのかもしれません。
「ダイエッターの祈り」を、これほど妥協なく、数値で破壊し尽したこの私に、世間が暖かく接する訳がありません。わが家の次女にさえ「パパ、真実は人を傷つけるんだよ」と説教されているくらいです。
ですから、今後の執筆依頼のことも考えて、最終回くらいは、玉虫色の大円団に着地させようかなぁ、とも思ったんですけど、
- 「腰を回せば腰が細くなる」 → そんなことが、あるわけないだろう(部分痩せは可能なのか?)
- 「朝食を抜けばメタボになる」 → そんな、物理現象を超越するような現象が発生する訳がないだろう
- 「食べる順番で痩せることができる」 → 食べる順番は、食欲を抑制する効果だけだ。食べたら食べた分だけ、摂取カロリーになるに決まっている
- 「一週間に一日だけならば、バカ食いしても大丈夫」 → バガ食いしたら、バカ食いしただけカロリーが加算されるだけだ
- 「水を飲んだだけで太る」→ 帰れ
と、今なお思っている私が、今さら感じの良いジェントルなエンジニアを演出したところで、手遅れでしょう。
ならば、ここまで来たのですから、この最終回も、
「『楽々ダイエット』? そんなことが本当にできるって思っているなら ―――― まずは、そのふざけた幻想をぶち壊す!」(上条当麻風)
という感じで、完走したいと思っております。
こんにちは。江端智一です。
今回は、ちまたに溢れるダイエットの中でも、比較的数値をキチンと取り扱っているように見えるダイエット法「低インスリンダイエット」と「糖質制限ダイエット」を例として、結局のところ、どのダイエット方法も、効果を定量的に評価できない、という事実を示します。
その上で、今回の連載中に至ったダイエットの2つのパラダイムシフトと、私が実際に行ったダイエットのやり方を具体的にご説明したいと思います。
そして最後に、そのダイエットを通じて、私が実際に経験してきた、ダイエットのメリットとデメリットを全てご紹介して、最後に皆さんに伺いたいと思っています。
―― 「そのダイエット、本当に必要ですか」
と。
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