今こそ問いたい――そのダイエット、本当に必要ですか:世界を「数字」で回してみよう ダイエット(28)(9/10 ページ)
ダイエットシリーズも、いよいよ最終回です。今回は、私が、150日にわたりダイエットを行った結果として得たメリットとデメリットを紹介します。結局のところ、私たちは「ダイエットに失敗する」という運命から逃れられないのかもしれません。それでも、ダイエットに関する情報は日々氾濫し、その市場が縮小することはないように思われます。だからこそ、こう問いかけたいのです。「そのダイエットは、本当に必要ですか?」と――。
ダイエットを強行した訳
もちろん、これらのデメリットのほとんどは、目標体重に到達後、日を重ねるごとに、徐々に回復してきましたが、
普通、これだけのデメリットがあれば、ダイエットやめるよね。
私が、それでもダイエットを強行したのは、(1)この連載のために、ダイエットの体重データがどうしても必要だったから、(2)自分のダイエット仮説を検証したかったから、という、個人的かつ特殊な事情があったからです。
メタボだの、キレイになりたい、だのという、ボンヤリとした目的だけで、上記のデメリットを乗り越える人がいたら ―― それはそれですごいと思うけど ―― 正直、「怖い」と思います。
“ダイエットに失敗するように”できている
では、ダイエットシリーズ最終回をまとめます。
【1】「低インスリンダイエット」「糖質制限ダイエット」を例として、あらゆるダイエットの効果を、その手法から定量的に比較する方法がないことを示しました
【2】発想を逆転して、体重から摂取カロリーを逆算する考え方と、その簡単な計算方法を提示しました
【3】「体重計」と「ノート」だけを使う、江端のダイエット法の具体的な手段をご紹介しました
【4】江端の実践した150日のダイエットの効果と、そのメリットとデメリットについて話しました
以上です。
ダイエットシリーズは、「人類は、"ダイエットに失敗する"ようにできている」をテーマとして取り扱ってきました。
そして、シリーズ全部を通して、考えうるさまざまな方向から検討をし続け、その「失敗に至る理由」を明確にしてきました。
"ダイエットに失敗する"ように作られている私たちは、日々を生き抜くために、心を壊さないために、種として存続するために、そして、わが国の経済を回すために、運命的にダイエットに失敗しなければならないのです。
最後に、それでもなお、ダイエットを諦めずに日々を闘い続ける「あなた」に、この疑問を問いかけて、このシリーズのトリを飾りたいと思います。
「そのダイエット、本当に必要ですか?」
(謝辞)
本ダイエットシリーズでは、多くの方からご支援頂きました。
私のアンケートに応じていただいた34人の皆さまに感謝申し上げます。
50問もの質問に応じていただきましたこと、誠にありがとうございました。
皆さまのアンケート結果によって、私の仮説「ダイエットはモテるため」は根底から破壊されました。皆さまのおかげで、私は「ダイエットの目的は、『訳が分からない』もの」という仮説修正をよぎなくされ、そして、いまだに訳が分からないまま、このシリーズの最終回に至ってしまいました。
上記のアンケート結果の解析には、下記のツールが大活躍致しました。
NTTデータ数理システム社製、Visual Mining Studio, Text Mining Studio, BAYONET。
また、自分で作った膨大なアンケート項目の取り扱いに困っていた時に、適した解析手法をご教示いただき、大変に助かりました。
数理システムスタッフの皆さまに感謝申し上げます。
平成横浜病院 総合健診センターの管理栄養士の、伊藤玲子先生、久保寺理恵先生に、心より感謝申し上げます。
インタビューの際にご教示いただいた「一番効果のあるダイエットとは?」との私の疑問に対する、「記録する(レコーディング)ダイエットです」というアドバイスは、この連載の軸にもなりました。
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