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DRAMについて知っておくべき、4つのこと:福田昭のデバイス通信 ARMが語る、最先端メモリに対する期待(10)(1/4 ページ)
今回は、DRAMで知っておくべき4つの事実を紹介する。「DRAMの事業規模は巨大であること」「DRAMの性能は常に不足していること」「DRAM開発は傾斜が急になり続ける坂道を登っているようなものであること」「3次元技術はDRAM開発にとって援軍ではあるが救世主ではないこと」の4つだ。
国際会議「IEDM」のショートコースで英国ARM Reserch社のエンジニアRob Aitken氏が、「System Requirements for Memories(システムがメモリに要望する事柄)」と題して講演した内容を紹介するシリーズの第10回である。
今回から、半導体メモリの具体的な解説に入る。初めはDRAMを採り上げる。DRAMについて知っておくべきことは、4つある。まず、DRAMの事業規模は巨大であること。次に、DRAMの性能は常に不足していること。3番目に、DRAM開発は傾斜が急になり続ける坂道を登っているようなものであること。最後に、3次元(3D)技術はDRAM開発にとって援軍ではあるが救世主ではないこと。以下、順番に解説していこう。
2014年に5兆円を超えたDRAMの世界市場
はじめに、最初の事実について。具体的にはDRAMの市場構造について説明しよう。DRAMの市場規模は巨大である。半導体メモリの中では最大の市場規模を有する。少し古いが、2014年の市場規模は約500億米ドル(1米ドルを110円とすると約5.5兆円)に達する。半導体メモリで2番めに大きな市場を有するのはフラッシュメモリで、NANDタイプとNORタイプの合計で2014年に約350億米ドル(約3兆8500億円)である。
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