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IoT機器のセキュリティはハードウェアが鍵に「embedded world 2016」(2/2 ページ)

ドイツ ニュルンベルクで開催された「embedded world 2016」(2016年2月23〜25日)において、Infineon Technologies(以下、Infineon)が訴求したのは、IoT(モノのインターネット)機器にいかにセキュリティ機能を搭載するかについてだった。

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EtherCATコントローラー内蔵の汎用マイコンも

 Infineonは、ARM「Cortex-M」シリーズのコアを搭載する32ビットマイコン「XMC」の新製品も、embedded world 2016に合わせて発表した。XMCは、FA(ファクトリーオートメーション)、BA(ビルディングオートメーション)、パワー/エネルギー、輸送の分野において、モーター制御、AC-DC変換やDC-DC変換などの電力変換、照明制御、通信向けをターゲットとする汎用マイコンファミリーだ。「Cortex-M0」ベースの「XMC 1000シリーズ」と、「Cortex-M4」ベースの「XMC 4000シリーズ」がある。日本でも、2015年からXMCを本格的に展開している*)

*)関連記事:インフィニオン、日本での産業用マイコンの本格展開を開始――インダストリー4.0向けなどでシェア獲得へ

 embedded world 2016では、XMC 1000シリーズの最上位品種として「XMC 1400」を発表した。InfineonでMicrocontroller Industrial and MultimarketのSenior Marketing Managerを務めるChristian Daniel氏は、「欧州や日本をはじめ、世界各地でトレンドになっているインダストリー4.0を意識したもので、従来品にはなかったCAN(Controller Area Network)バスを2本、追加した」と述べた。

 XMC 4000シリーズとしては、最新の品種となる「XMC 4300」を展示した。XMC 4300は、EtherCATコントローラーを内蔵している。同じくEtherCATコントローラーを搭載した既存の『XMC 4800』をベースに開発したもので、XMC 4800よりも内蔵フラッシュとRAMの容量を少し低減している。Daniel氏は、「XMC 4300とXMC 4800には、EtherCAT対応機器の設計に必要な機能を全て搭載しており、スレーブの設計が簡素化される」と述べる。Daniel氏によると、スレーブの設計については、今のところコストについてそれほど厳しい要求はなく、それよりも設計の簡素化の方にニーズがあるようだ。「ただし、XMC 4300の開発ボードは50〜60ユーロであり、他社品の200ユーロに比べると圧倒的に安価だ」(同氏)。

 さらに、InfineonでIndustrial MicrocontrollerのManager Product Marketingを務めるHairuo Qiu氏は、「XMC 4300のユニークな点は、EtherCATのPHY-to-PHY接続に対応するオプションがあることだ」と説明する。「EtherCATについて顧客と話していると、必ずといっていいほど、接続についての話題が上る。PHY-to-PHY接続を使えば、スレーブ同士を接続する際にケーブルが要らなくなるので低コスト化につながる」(Qiu氏)。

デモ
「XMC 4300」のデモ。XMC 4300を搭載した2枚のボードを、ケーブルではなく、PHY-to-PHYで接続している(画像の緑枠内)。「ただし、見て分かる通り、PHY-to-PHY接続のデメリットは数メートルレベルの距離で接続することはできないことだ」(Qiu氏) (クリックで拡大)

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