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制御の世界の“黒船”、TwinCATでメイドを動かす江端さんのDIY奮闘記 EtherCATでホームセキュリティシステムを作る(9)(9/13 ページ)

SOEMに限界を感じていた私は、ベッコフオートメーションのソフトウェアPLC「TwinCAT3」に手を出しました。そう、文字通り“手を出してしまった”のです。今回は、制御の世界に「黒船」を持ち込んできたTwinCAT3を使ってメイドを動かすまでの、私の苦闘と孤闘の全容をご覧いただければと思います。

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【Step 9】スレーブ(メイド)たちの接続

 では、ここから、EtherCATの十八番(おはこ)である、自動構築のマジックをご覧いただきましょう

 TwinCAT3の左側にあるツリーの「I/O→Devices」右クリックし、「Scan」を選択してください。

画面の例

 次のダイアログで「OK」を押すと、

画面の例画面の例

てな画面がでてきますので、「はい」「はい」と押し進めると、現在接続されているスレーブ(メイドたち)が、TwinCAT3の左側のツリーに、全員、どどどどっとラインアップされます。

 ―― 壮観

 うん、うん、やっぱり、EtherCATの自動構築はいいなぁ。

 ここで、よーーーーやく、TwinCAT3によるEtherCATの構築が一通り完了です。

 でもね、TwinCAT3のインストールや構築、全然ラクじゃないでしょう? まあ、制御LANの世界でラクしようというのが、どだい無理な話なのかもしれませんが。


画面の例
クリックで拡大

 では、せっかく、スレーブ(メイド)たちをコントロールできる状態になったのですから、ちょっと、メイドたちと遊んでみましょう。

 まずは手動で、LEDライトを付けたり、センサー値を読み取ったりしてみます。

 まず、メニューバーから「TWINCAT→Toggle Free Run State」を選択してFree Runモードにしてください("Free Run"とは何ぞや、てなことは考えなくても良いです)。

 そして前回のコラムで紹介したメイド"Rio"のLEDを点滅させます。

 TwinCAT3の左側に表示されているツリーから"Rio"のデバイスを選択して、そのデジタル出力ポートの信号を手動でオンにしてみます。

 その映像がこちらです。

動画が取得できませんでした
"Rio"のデバイスを選択して、そのデジタル出力ポートの信号を手動でオンにする

画面の例

 では、今度は"Yuko"のセンサー値の取得をリアルタイムで見てみましょう。

 4つのセンサー値がリアルタイムで動いているのが見えます。その映像はこちらです。


動画が取得できませんでした
4つのセンサー値がリアルタイムで動く

 LED点滅用のスイッチも、センサー値を表示する画面も全部作って待っていてくれる。これが、ESI(Ethernet Slave Information)とEtherCATツール(TwinCAT3)の連携によるマジックです。

 もし、SOEMで同じようなことをやろうとすれば、これ、全部私が1人で画面を作らなければなりませんが、はっきりいってそんなことは不可能です。

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