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2020年、ボディスキャナーが未然にテロを防ぐ全国の主要空港へ順次導入が決定(3/3 ページ)

テロの脅威に備えて国土交通省を中心に普及が進むボディースキャナー。ボディースキャナーとは空港の出国ゲートで、乗客の全身をスキャンできる検査機器である。2015年10月には主要空港で運用評価試験が行われ、2016年3月29日にその結果が発表されるなど活発な動きを見せている。本記事では、ボディースキャナーメーカー各社それぞれの特長に加えて、国内の動向について紹介する。

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73%が「積極的に導入・どちらかといえば導入」

 国土交通省が発表した運用評価試験の結果によると、ボディースキャナー検査を受けた乗客は3空港合計で1万7765人となっている。検査時間は、ボディースキャナーの場合が平均約80秒、接触検査の場合平均90秒と平均約10秒の時間短縮となった。


画像はイメージです

 運用評価試験に参加した3社のボディースキャナーで要する検出時間は約10〜20秒(入場から画像確認まで)。国土交通省は検査時間に約80秒を要した理由として、「ボディースキャナーによる検査が初めての人がほとんどだったため、説明に多くの時間を費やした。ポケットの中の所持品を全て出すといった検査前の準備や、検査を受けるときの姿勢の周知方法を工夫すれば、時間短縮につながる」とした。

 2509人が記入したアンケートでは、70%がボディースキャナーに対して「満足・おおむね満足」と回答。その理由として多く挙げられたのが、「待ち時間/検査時間が短い」「準備が簡単」である。「積極的に導入・どちらかといえば導入」に回答したのは73%。「安心・安全の対策は積極的に進めるべき」「接触検査に比べれば精神的な負担が少ない」が理由として多く挙げられていた(詳しくは下記グラフを参照)。


アンケート評価(1)。「やや不満・大いに不満」と答えた全体の8%の中には、「待ち時間/検査時間が長い」「準備が面倒」という回答が多かったようだ (クリックで拡大) 出典:国土交通省

アンケート評価(2)。全身の接触検査を選んだ全体の5%の中には、「準備が面倒」「プライバシー保護に不安」と回答した人が多かったという (クリックで拡大) 出典:国土交通省

4月以降活発な動きを見せるボディースキャナー

 国土交通省は2016年3月29日、運用評価試験においてボディースキャナーに対する好意的な反応が多いことから、「2016年度から全国の主要空港へ順次導入していく」と発表した。同年4月以降、ボディースキャナー導入に関する活発な動きが相次いでいる。

 まず、関西国際空港がL3コミュニケーションのProVision採用を決めた。L3コミュニケーションは、「関西国際空港は、国土交通省が運用評価試験を行う前からPeach Aviationと共同で独自にProVisionの評価試験を行っていた。その評価試験での評価が高かったことから、今回の導入が決まったと考えている」と語る。

 2016年5月26、27日に伊勢志摩サミット開催を控える中部国際空港は、スミス ディテクションのeqoをレンタルすることを決定した。スミス ディテクションは選ばれた要因として、「検知率/スループットでの高さが評価されたこと」を挙げる。

 成田国際空港、羽田空港はどのような動きを見せるのか、今後の動向に注目だ。

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