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ITO膜をレーザーで直接加工、10μmのL/S環境に優しく、ランニングコストも安価

リコーインダストリアルソリューションズは、「第26回 ファインテック ジャパン」で、タッチパネルなどに用いられる機能性フィルムなどを加工するためのレーザーパターニング装置などを展示した。

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 リコーインダストリアルソリューションズは、「第26回 ファインテック ジャパン」(2016年4月6〜8日、東京ビッグサイト)で、タッチパネルなどに用いられる機能性フィルムなどを加工するためのレーザーパターニング装置「LA-1100」を展示した。ラインアンドスペース(L/S)は10μm/10μmで、ITO(Indium Tin Oxide)膜と銀引き出し電極を同時に加工できるという。

 タッチパネルは、指先が触れた位置を検出するために、ガラスやフィルム基板上にITO膜をパターン加工して、透明電極を形成したシートなどが用いられる。このシートには、ITO膜とは別に銀ペーストなどの引き出し電極のパターニング加工も行われている。

 銀引き出し電極の加工は、これまでもレーザー装置で可能であった。しかし、ITO膜の加工にレーザー装置を用いると下地への熱ダメージが大きく、これまではフォトリソグラフィ方式を用いて加工するのが一般的であった。今回は自社開発のレーザーを用いた「ピコ秒レーザー技術」などを採用した。これによって、非熱加工を可能とし下地へのダメージをなくすことができた。ITO膜と銀引き出し電極の加工をレーザー装置で同時に行うことが可能となったことから、生産効率をさらに改善することができるという。


レーザーパターニング装置「LA-1100」のデモ展示の模様

 LA-1100は、ロール状フィルムの他にシート状フィルムにも対応可能である。基材幅は標準で600mmとなっているが、最大1500mmまでカスタム対応することが可能だという。スキャンスピードは毎秒3000mmである。

 設置面積は1780×1520mmと小さく、従来製品に比べて半分以下とした。電源仕様も単相100V/30Aとなっており、消費電力は1/5以下で済むという。レーザー光源は波長1064nm、平均出力は最大16W/30W、パルス幅は50ピコ秒〜10ナノ秒で任意に設定できる。ショットコントロールも細かく設定することが可能だ。

 LA-1100は、従来のフォトリソグラフィ方式による製造プロセスに比べて、「廃液が出ないため環境に優しく、ランニングコストも安価である。設備導入も比較的簡単。マスクなどを事前に作成する必要もなく、少量多品種の製品向けや試作/評価用途に適している」(説明員)と、その優位性を語る。タッチパネルや薄膜太陽電池、セラミック部品における配線パターニングなどの用途に提案していく考えだ。

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