リコーの色素増感太陽電池とマクセルのラミネート電池を採用した環境発電センサー端末:センシング技術
アルティマは2015年5月11日、リコー、日立マクセルと共同で、電池交換の必要のない温湿度や照度などを情報を取得するワイヤレスセンサーネットワーク端末を開発したと発表した。
マクニカグループのアルティマは2015年5月11日、リコー、日立マクセルと共同で、電池交換の必要のない温湿度や照度などを情報を取得するワイヤレスセンサーネットワーク端末を開発したと発表した。2015年7月からサンプル出荷を開始する。
開発したワイヤレスセンサーネットワーク端末は、屋内での使用を想定した端末。リコー製の完全固体型色素増感太陽電池10直列モジュール(サイズ=50×80mm)を使用し、白色LED光源による照度200lux環境で約340μWの発電力を持たせた。また開放電圧約9V、最大出力動作電圧約7.5Vの高電圧化を図り、二次電池への効率的な充電を実現した。
二次電池には、日立マクセル製の厚さ0.4mmのシート状ラミネート形リチウムイオン二次電池を採用。500回のサイクル寿命を誇る二次電池で、独自ゲルポリマー電解液を用いて液漏れ品質を向上させている。
Dust NetworksとBLEに対応
センサーとしては照度、温度、湿度センサーを内蔵。PCなどの上位層との接続用無線としてリニアテクノロジーのDust Networksを搭載する他、ウェアラブル機器などとの接続用無線としてBluetooth Low Energyにも対応している。端末のサイズは、115×63×13mmとなっている。
アルティマでは、開発したワイヤレスセンサーネットワーク端末をマクニカグループのブランドである「Mpression(エムプレッション)」の一部として展開し、オフィスや店舗、工場などの状態監視や環境データセンシングなどの用途向けに販売する方針。なお、ワイヤレスセンサーネットワーク端末は2015年7月のサンプル出荷開始に先立ち、2015年5月13〜15日に東京ビッグサイトで開催される「第4回IoT/M2M展」で参考出品される予定だ。
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