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呼気中のわずかなガスを検出する小型センサー:生活習慣病の早期発見に役立つ可能性(2/2 ページ)
富士通研究所は2016年4月18日、アンモニアなど生活習慣病のマーカー物質とされる特定のガス成分を呼気中から抽出できる小型の呼気センサーを開発した。
富士通研究所では、開発したセンサーデバイスを組み込んで携帯型呼気ガスセンサーを試作し、富士通研究所の従業員128人の呼気によるテストを実施。「従来の小型なガスセンサーに比べて、感度および、他の生体ガスと区別する能力である選択比がおよそ100倍向上した」とする。こうした特性は、2000ppbのアセトンが含まれているような人の場合でもアンモニアの濃度への影響を1ppb未満に抑えることができ、病気の発見に必要な100ppb程度のアンモニアの測定には十分な分解能が得られるようになったことを示すとする。
肺がんマーカー物質の候補も検出可能
また、富士通研究所では、臭化第一銅膜の表面に、3級アミン分子膜をセンサーデバイス表面に薄く形成し、肺がんマーカー物質の候補とされている物質であるノナナールを濃度200ppbから検出できることを実験により確認したという。
今後の開発について富士通研究所は、「検出できるガスの種類を増やしていくとともに、スマートデバイスやウェアラブルデバイスにセンサーを搭載して、体温計のような手軽さで呼気中のガス成分を分析できる手段として、技術開発を推進する。また、開発した技術を生活習慣病の早期発見のためのスクリーニング手段として役立てられるように、医療機関との共同研究を通じて、呼気分析による生理学や医学面の効果が実証できたものから開発を推進し、体温計のような手軽さで通院前に息の成分を検査できる技術の実現と、2018年中の実用化を目指す」とコメントしている。
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