ニュース
フルSiCパワーモジュール、三菱電機が拡充:エアコンやPV装置向け、電力損失を大幅改善(2/2 ページ)
三菱電機は、「テクノフロンティア 2016」で、SiC(炭化ケイ素)パワーモジュール製品について、主な用途別に最新のフルSiC IPM(Intelligent Power Module)/PFC(Power Factor Module)などを紹介した。
PV向けフルSiC IPM
PV用パワーコンディショナ―向けフルSiC IPMは、定格電圧600V、定格電流75Aである。Siベースのパワー半導体素子を搭載した従来製品に比べると、電力損失をほぼ半分にした。駆動回路や保護機能を内蔵することで高機能化を実現している。さらに、電力効率の向上や高周波動作により、リアクトルなど周辺部品の小型化を可能とした。もちろん端子配置など従来製品と互換性のあるパッケージで供給するため、パワーモジュールの置き換えも容易である。
「フルSiC IPMを採用すると、パワーコンディショナ―装置の電力変換効率を約1%向上させることが可能となる」(説明員)と話す。例えば、現行装置の電力変換効率が97%であれば、従来のIPMをフルSiC IPMに置き換えるだけで、効率を98%にすることができる。電力損失という視点では大きな改善につながるとみている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 三菱電機、熊本地区2工場で確認作業継続
三菱電機は2016年4月20日、地震の影響で稼働を停止している2つの工場の最新状況を公表した。 - 半導体工場、余震で被害確認が難航――熊本地震
2016年4月14日夜の地震発生後から、熊本地区の半導体工場は稼働を停止し、被害状況の確認作業を進めているが、度重なる地震発生で、作業が難航している。 - 未来社会に貢献、三菱電機が研究成果披露
三菱電機は、研究開発成果披露会で、24件の成果を紹介した。同社は、「研究開発の成果は成長戦略を推進していくための要」と位置付ける。 - フルSiCモジュールが小田急1000形の心臓部を約40%省エネに
三菱電機は、フルSiCモジュールを用いたインバータ装置が、鉄道車両の主回路システムを約40%省エネ化させることを営業運転中の車両を用いて確認した。