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Intelの再編、メモリとIoTに舵を切る設備投資は10nmプロセスと3D NANDに(2/2 ページ)

最大で1万2000人の人員削減を行うと発表したばかりのIntel。現在、全製品を見直し、どのように構造改革を行っていくかを検討している段階だという。アナリストの中には、Intelの再編の動きを評価する声もある。

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ウォール街の評価は

 米国ウォール街は、Intelの株価が短期間影響を受ける可能性はあるとしながらも、同社の再編の動きを評価した。

 ドイツ銀行のアナリストであるRoss Seymore氏は、Intelを引き続き「買い」としたレポートの中で、「Intelはついに、大規模な再編によりコスト構造の改革に取り組むと決断した。当社はこれを高く評価する。今後、Intelはスリム化したことで事業の成長に大いに注力できるようになると見込んでいる」と述べた。

 IntelのCFO(最高財務責任者)で、後任者が見つかるまで同社の販売、製造、営業部門を統括することになるStacey Smith氏によると、Intelの95億円の設備投資の多くは2016年末ごろに実施される予定だという。設備投資は主に、10nmチップの初期生産能力の増強と、中国 大連にある3D NANDフラッシュ製造工場の強化に対して行われるようだ。

 Smith氏は四半期のカンファレンスコールの中で、ウォール街のアナリストらに対し、「10nmプロセス技術と大連の工場について、われわれは手綱を少しも緩めてこなかった。これらはいずれも、今回の構造改革による影響を受けない」と語った。

 Krzanich氏は「今回の再編は、当社の技術の(既に遅れている)歩調には何ら影響を与えない。Intelは常に、プロセス間の移行時期を2年に戻せるよう努めているが、10nmプロセスへのタイミングはむしろ2年半に近い。7nmプロセスについては、まだ十分に定義されていないこともあり何も公表していない」と述べた。

 Krzanich氏は「われわれは長い間、ムーアの法則をリードすることが競争において最も重要であると考えてきた。プロセスノードの実現が難しくなるということは、誰にとっても難しくなるということだ。そうした場合、競争においてリーダーシップをとれるメーカーが必要になる」と語った。

そう簡単ではない、人員削減

 Intelはどの製品の扱いを取りやめるかは、まだ決めていない。Krzanich氏は、「現在、Renduchintala氏が当社の全製品について完璧なレビューを行っている。近いうちに、彼から報告と提案を受ける予定だ」と述べた。

 Intelは、2-in-1タブレット、薄型ノートPC、セットトップボックス、ハイエンドのゲームシステムといった、最も急速に成長しているPC製品に注力する。「当社は現在、2016年内の投入を目指して、極めて革新的なシステムを開発中だ。だが、さらなる効率化に努めていくことから、PCのあらゆるフォームファクターや市場の境界線を越えて協業することはなくなるだろう」(Krzanich氏)。

 Gwennap氏は「削減を行うのはそう簡単ではないかもしれない」と述べる。「Intelはある意味、行き詰まっている。同社は主要なプロセッササプライヤーであることから、PC市場の一部からさえも抜け出すことができないだろう。Intelは、それほど成長が見込めない市場セグメントに対しては投資をしないだろうから、旧世代のプロセッサを使い続けなくてはならなくなるメーカーも出てくると思われる」(同氏)。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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