サイレックス、第4世代 11ac対応SDIOモジュール:IoTに向け「産業分野で安心して使える無線を」(2/2 ページ)
組み込み用無線LAN関連製品を手掛けるサイレックス・テクノロジーは、ワイヤレスソリューションに関する新製品の発表とともに、IoTに向けて今後何をしていくのかについて発表を行った。
切れない無線へのチャレンジ
同社がIoTで注力するのは、FA分野における「モニタリング」という。通信機能を持つモノとクラウドの間には、1)ノードデバイス、2)機器アプリケーションに合わせたカスタム接続性、3)アクセスポイントなどのインフラ部分が必要だ。同社はIoTで求められるこの3つの要素において、切れない無線を提供していくとする。
切れない無線を実現するアプローチとしては2つを挙げた。1つ目は、無線の高速化や高速ローミング、独自のアンテナノウハウを活用した「できるだけ切らない」。2つ目は、無線の環境調査やリモート監視を通した「切断状態を最小限に」である。
産業分野で安心して使える無線ソリューションを
切れない無線の実現に向けては、無線LAN環境を視覚化するデバイス「NX-1」、同社ワイヤレス製品を垂直統合的に管理できるソフトウェア「AMC Manager」を展開。2016年4月には、機器監視/保守用のIoTゲートウェイ「GDR-1150/1250」などの新製品を発表している。
また、2016年5月下旬には、ルネサス エレクトロニクスと協業して開発した「IoTワイヤレス開発キット」を発表予定としている。他にも企業と提携を進めており、村田機械の通信ソリューション事業の統合(サイレックスは2011年に村田機械の完全子会社となっている)、ソフトウェアではインドのembWiSeを2016年1月に買収。クラウドや3G/LTE対応も積極的に進めているとした。
河野氏は、「IoTの本格的な市場成長に向けて、今後顧客の不安の声を解消していき、産業分野で安心して使える無線ソリューションを提供していく」と語った。
なお、SX-SDMACやAP-500ACをはじめとしたワイヤレス製品は、2016年5月11〜13日に東京ビッグサイトで開催される「IoT/M2M展」で展示される。
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