14ビットADC、最大4GHzの入力を直接変換:最高級のDレンジ、広帯域幅、高速性を実現(2/2 ページ)
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、最大4GHzのRF入力を直接変換することが可能な、14ビットA-DコンバーターIC「ADC32RF45」を発表した。
アナログ信号回路を容易に
TIの強みの1つは、高性能/高機能な機能ブロックを実現するためのアナログシグナルチェーンを用意し、提供していることだ。今回も、ADC32RF45の他、DC〜1.5GHzの帯域幅をサポートする7GHz、2チャネル完全差動アンプ「LMH3404」を同時に発表した。既に販売している9.8GHz広帯域周波数シンセサイザーIC「LMX2592」やJESD204B準拠のクロックジッタクリーナーなども用意している。これらのIC/部品を組み合わせることで、アナログシグナルチェーンを比較的容易に完成させることができるという。
評価モジュール「ADC32RF45EVM」はすでに出荷を始めており、オンラインショップ「TI Store」で購入することができる。参考価格は2499米ドルである。評価モジュールはデータキャプチャーカードを介してPCと接続する。データキャプチャーカード「TSW14J56EVM」の参考価格は1249米ドルとなる。
ADC32RF45は、外形寸法が10×10mmの72端子QFNパッケージで供給する。すでにサンプル出荷を始めており、2016年第3四半期(7〜9月)より量産出荷の予定である。参考価格は、100個購入時の単価で2495米ドルとなっている。
あらゆる面から支援
TIの高速カタログコンバーター製品部でプロダクトラインマネージャーを務めるV.C.Kumar氏は、「レーダーシステムやソフトウェア無線システム、航空宇宙/防衛機器、テスト/計測システムなどにおいて、より高密度の実装、良好なノイズ性能、広い周波数帯域幅への対応などが求められている。これらの要求に応えるA-DコンバーターICを始め、周辺の周波数シンセサイザーICやクロックIC、差動アンプなども含めたシグナルチェーンを提供することができるのもTIの強みである」と話す。レファレンスデザインやアプリケーションノートなども用意されており、RFシステムの設計/開発をあらゆる面から支援していく。
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