地球規模で膨大なセンサー端末を無線でつなぐ:ワイヤレスジャパン/WTP 2016(2/2 ページ)
リニアテクノロジーは「ワイヤレスジャパン2016」で、無線ネットワーク技術「dust networks(ダスト・ネットワークス)」の採用事例などを展示した。また、巨大な無線センサーネットワークの構築を可能とする「ネットワークマネージャ」についてもその概要を紹介した。
パートナーがダストの応用例を披露
同ブースでは、東京エレクトロン デバイスやテックファーム、応用地質、アルティマ、タイムマシーンなどが、ダスト開発環境を始め、温湿度や照度、雨量などさまざまなセンサーを搭載した端末及びそれを使ったモニタリングサービスなどを紹介した。
タイムマシーンは、サンデン・リテールシステムと共同企画した製品「業務用冷凍庫」と「コーヒーサーバー」を紹介した。デモ展示した業務用冷凍庫にはダスト対応のセンサー端末が、庫内の上段と下段、そして外部裏側の排気部分と3個実装されている。これとは別にブース内の3カ所にセンサー端末を設置し、合計6個のセンサーから出力されるデータを一括して温度監視するデモを行った。
アルティマは、バッテリーあるいは太陽電池を搭載したダスト対応のセンサー端末「EH-Terminal」を展示した。温湿度や照度をモニタリングすることができる。同社は、マクニカロジスティックスセンター内にEH-Terminalを設置して、物流倉庫内の環境データを収集するなど、ビル管理システムとして評価中だという。
応用地質は、災害監視システム「i-SENSOR2」を展示した。雨量や地盤傾斜、水量/水位などを測定する複数のセンサー端末を斜面などに配置する。微小な変動などをセンサーが検知すると、そのデータがダスト・ネットワークスや3G通信を経由して送信され、遠隔地の状況を監視できるシステムである。従来は全てのセンサー情報を3G通信で通信していたが、親機と子機間をダスト・ネットワークスで接続することにより、通信コストを節減できるという。
テックファームは、ダスト・ネットワークス技術を用いて、ビーコンのメンテナンス管理を行うサービスを紹介した。公共施設や商業施設、イベント会場などでは、ビーコン網を利用して、クーポンの発行、お買い得情報の提供など、さまざまなサービスが行われている。ところが、大量に設置されたビーコンごとの故障や電池切れによる動作停止などを、自動的に検知することは難しかったという。テックファームでは、ダスト・ネットワークス技術を活用してビーコンを一括管理し、故障検知などを容易に行うことを可能とした。
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