人身事故に遭わない秘策は“都会に住むな”!?:世界を「数字」で回してみよう(30) 人身事故(3/10 ページ)
皆さんは、一体どこの誰が人身事故を起こしているのだろうと考えたことはありませんか? 丹念に分析して人身事故の“分布図”を眺めてみると、発生場所が相当偏っていることが分かります。
日本の自殺を“けん引”しているのは……
まずは、内閣府が発表している平成27年版の「自殺対策白書」から、2015年度の自殺者数を世代・男女別でご覧頂きます。
わが国では、毎日70人(=2万5427人÷365日)が自殺をしており、これは交通事故死亡者数の実に6.2倍(=2万5427人÷4117人)に相当します。
このように、“自殺大国・日本”をけん引しているのは、私の世代 ――中年男性・おっさん ―― であることは明らかです。
比して、マスコミなどで大々的に取り扱われるティーンエージャーの自殺は、圧倒的に少ないのです。
とはいえ、ティーンエージャーが毎日1.5人(=(373+165)人÷365日)も自殺をしているという事実は、かなり深刻な話だと思います。しかし、ティーンエージャーの自殺でも、「いじめ」「虐待」などの付加的な条件が付かなければ、ニュースとしては取り扱われません。
ましてや「おっさん」の自殺なんぞ、世間にとっては統計情報以上の価値はないのでしょう。ですが、単なる数字のデータであっても、そこにも悲劇はあります。
自殺に追い込まれた人の悲劇は言うまでもありませんが、さらによく考えてみると、毎日平均70人(25427人÷365日)が自殺しているということは、
- 今日1日だけで、その(「おっさん」を含む)70体の死体を、発見してしまった人が、少なくとも70人いて、
- ひもにぶら下がって揺れている人体、飛び散って地面や線路にこびり付いた肉片、ハエやウジのたかる、腐臭を発する死体の処理に従事された人が、今日1日だけでも100人単位でいた
ことになるのです。これだって十分に悲劇でしょう。
ここで、ちょっと「ティーンエージャーの自殺」に話を戻しますが ――
ティーンの自殺は、2015年は538人でしたが、38年前の1977年には、今より300人近くも多かった(812人/年)のです(厚生省人口動態統計より)。当時の日本国の自殺者の総数は、今よりも5000人も少なかった(2万256人)にもかかわらずです。
当時は、いわゆる「受験戦争」といわれていたころで、「学歴」という価値観が、今よりももっと重視され、絶対的だった時代でした。『受験に負けた者には、未来がない』と思い詰めた子どもたちの多くが、自殺を選択した時代だったのです。
今でこそ「ゆとり教育」への批判の声は大きいですが、あの時代のマスコミ、世間、そして教育現場も含めて、全員一致で「ゆとり」を大合唱していたのです(「ゆとり」に反対していた人間は、相当ディスられていました(本当))。
その時代には、わが国が一体となって、「これ以上、受験戦争で、子ども殺してなるものか」という思いが、確かにあったのです。
閑話休題。
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