人身事故に遭わない秘策は“都会に住むな”!?:世界を「数字」で回してみよう(30) 人身事故(6/10 ページ)
皆さんは、一体どこの誰が人身事故を起こしているのだろうと考えたことはありませんか? 丹念に分析して人身事故の“分布図”を眺めてみると、発生場所が相当偏っていることが分かります。
景気変動と比べてみる
さらに2年さかのぼった、リーマンショックが発生する1年前、サブプライム住宅ローン危機の年(2007年)がこちらです。
『「若い」「女性」が多い』という、私の仮説は、この段階で、早々に崩れ去りました。
次に、過去10年をさかのぼって、飛び込み自殺者数の変化を見てみました。
また、併せて、日経平均株価(年平均)も調べてみました。
ここ数年、飛び込み自殺者数は減少傾向ではあります。
その一方で、株価と連動して、100人オーダーで自殺者数が変化しています。
恐らく、皆さんも、鉄道の人身事故数が、景気と連動していることには感づいていると思います。ただ、2011年の動きだけは説明ができていません*)。
*)校正の段階で、担当のMさんから、「3.11の震災と関係ありませんか」と指摘されて、『あっ!』と声を上げてしまいました。実は私、太平洋戦争中の日本の自殺率のデータにも目を通しております。次回、本件について検討したいと思います。
では、ここで「一体、どこの誰が、人身事故を発生させているのか」というテーゼについて整理してみます。現時点では、以下の3つ、
(1)ここ数年、飛び込み自殺の件数は、減少傾向にある
(2)若い人の飛び込み自殺の件数は、他の自殺と比べて圧倒的に多く、経済状況などに影響されることなく、安定して悪い(150人〜200人弱)
(3)飛び込み自殺の件数の増減は、中年以上の世代の動向に強く影響を受けており、日本の景気と強く連動している
ということがいえると思います。
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