人身事故に遭わない秘策は“都会に住むな”!?:世界を「数字」で回してみよう(30) 人身事故(8/10 ページ)
皆さんは、一体どこの誰が人身事故を起こしているのだろうと考えたことはありませんか? 丹念に分析して人身事故の“分布図”を眺めてみると、発生場所が相当偏っていることが分かります。
飛び込みにも、“センス”が必要?
さて、ここからは、最近の実際の鉄道人身事故のデータを見ていきたいと思います。
どうやら、飛び込んだからといって、必ず死ねるというわけではない、ということのようです。
まあ、確かに、早めにホームに降りてしまえば、誰かに緊急ボタンを押されて、電車は緊急停止してしまいますし、列車の先頭が通過した後であれば、接触事故で大ケガするだけで、死に至ることができません。
ちんたらと、飛び込みの準備なんぞしていたら、周りの人間に取り抑えられます(そして、私なら『この列車の後にしろ!』と説教しながら、殴り倒す)。
要するに、飛び込み自殺にも、それなりの運動神経やセンスが必要なのだろうと推測します。それに、失敗すると相当に「気まずい」ことになります(冒頭の話になります)。
もう少し、細かく調べてみました。
下図は、過去10年間において、最も人身事故が多かった路線ベスト10から、10年間の自殺者数と自殺の比率を計算したものです。
自殺の比率は、路線によって、最大で40%近くの差があります。自殺の方法のうまい/へたがあるとは思えませんので、何か自殺の成功率を向上……もとい、自殺の発生を抑制するヒントがあると考えられます。この件も、余裕があれば検討してみたいと思います。
ところで、ここ5年間における人身事故の発生件数は、年間平均1230件程度になりますが、これを1日当たりの件数にすると、以下の様になります。
―― いくらなんでも、少なすぎるだろう
私がこれまで、チームリーダーに「鉄道の遅着で朝礼に遅刻する」旨のメールを、何度送付しなければならなかったことか。
それに、冒頭の「この場に至って『格好』つけやがった」という人間はもっとたくさんいるような気がして、どうにも納得できませんでした。
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