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人身事故に遭わない秘策は“都会に住むな”!?世界を「数字」で回してみよう(30) 人身事故(9/10 ページ)

皆さんは、一体どこの誰が人身事故を起こしているのだろうと考えたことはありませんか? 丹念に分析して人身事故の“分布図”を眺めてみると、発生場所が相当偏っていることが分かります。

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No Train, No Accident

 そこで今度は、どの鉄道会社で、どの程度の人身事故が発生しているのかを、過去5年間にわたって調べてみました。

 1件以上の人身事故が発生する鉄道会社は、毎年、約70社で、その上記10社が、実に、人身事故の73%を占めています。この10社とは、いわゆる都市圏における大手の鉄道会社でした。

 つまり、人身事故による遅着、遅延の被害に頻繁に遭遇するのは、人身事故が発生しやすい路線の沿線(自宅、会社、学校など)にいるからです。特に、そのような場所は、複数の鉄道会社が相互に関連しあって、人身事故の影響が波及しやすい関係にもあります。

 ここから導かれる結論は明解です。

 ―― "No train, No accident" ――鉄道の人身事故に遭遇したくなければ、鉄道のないところに住めばいい

 都会は便利ですが、私たちが便利を求めるから、私たちは不便な目に遭い、その不便な目に腹を立てることになるのです。

 つまり、「一体、どこの誰が、人身事故を発生させているのか」についての、ムチャな答えとしては、私たちが人身事故が発生しやすい場所にいるからという考え方もできるのです(もちろん、詭弁(きべん)です)。


では、今回のコラムの内容をまとめてみたいと思います。

【1】実に9割の人が、人身事故に腹を立てていて、さらにその内、8割の人が、人身事故を引き起こした当事者に腹を立てている

【2】ここ数年、飛び込み自殺の件数は、減少傾向にある

【3】若い人の飛び込み自殺の件数は、他の自殺と比べて圧倒的に多く、経済状況などに影響されることなく、安定して悪い

【4】飛び込み自殺の件数の増減は、中年以上の世代の動向に強く影響を受けており、日本の景気と強く連動している

【5】列車の飛び込み自殺の成功率は、決して高くない(平均50%程度と推定)

【6】鉄道交通システムが充実している場所ほど、人身事故による影響をダイレクトに受やすい

以上です。

「江バ電」設立

 さて、現在、私は、仮想の鉄道会社「江端電鉄株式会社」(通称 江バ電)をコンピュータの中につくって、人身事故を発生させて、電車の遅延を発生させています。

 次回は、この江バ電と、江バ電の乗客が、飛び込み自殺で被ってきた被害を、具体的な数字にして回してみたいと思います。

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