「電子部品で培った技術を結集」 太陽誘電のIoT:ワイヤレスジャパン/WTP 2016
太陽誘電は、「ワイヤレスジャパン2016」(2016年5月25〜27日/東京ビッグサイト)で、回転機器の異常振動を早期発見/予防保全するシステムを展示した。「電子部品製造で培った無線/電源/光学/複合技術を結集することで、IoT市場に切り込んでいきたい」(同社)という。
太陽誘電は、2016年5月25〜27日に東京ビッグサイトで開催された「ワイヤレスジャパン2016」で、同社のIoT(モノのインターネット)に対する取り組みとして、回転機器(モーターやポンプ)の異常振動を早期発見/予防保全するシステムを展示した。
同システムは、センサーと無線通信機を取り付けた専用端末を回転機器に設置。専用端末は、振動/温湿度/電源電圧を計測することができ、計測データを親機へと無線伝送することで、異常振動の早期発見につなげられる仕組みだ。新たな配線工事が不要のため、配線が困難な場所でも容易に設置することが可能という。
展示では、振動数30Hzと振動の強さといった正常な振動を示す基準値を設け、その基準値から振動数が±3Hz、振動の強さが±50%の範囲外となったら異常判定を行うデモが行われた。
電子部品製造で培った複合技術を結集
同システムの専用端末には、同社の無線通信モジュールやキャパシターなどが用いられている。また、化学品の専門商社である小西安が提供する、振動によるエナジーハーベスト(環境発電)を導入することで、電池を不要にした。同社によると、「デモ機では2秒に1回無線通信を行うためボタン電池を搭載したが、回転機器は頻繁に計測データを送る必要がない。10分に1回程度の無線通信であれば、電池レスで実現できる」という。
同社の新事業推進本部でIoTデバイスグループに所属する森孝弘氏は、「電子部品だけのビジネスはこれから厳しいのが現状だ。当社は、電子部品製造で培った無線/電源/光学/複合技術を結集することで、IoT市場に切り込んでいきたい」と語る。
同システムは実証実験中であり、今後は小西安が製品化予定。クラウドサーバもオプションで提供する。「農業機械の稼働情報収集システムも現在、実証実験中。IoT向けの取り組みは始めて約半年だが、引きあいは多くある」(森氏)とした。
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