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熱流センサー、BiTe系材料で高感度・薄型を実現薄さ0.3mmで曲げられる

デンソーは、「JPCA Show 2016」で、半導体式熱流センサー「RAFESPA(ラフェスパ)」と、このセンサーを搭載した生産システムのデモ展示を行った。

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デンソー、JPCA Show 2016で公開

 デンソーは、「JPCA Show 2016」(2016年6月1〜3日、東京ビッグサイト)で、半導体式熱流センサー「RAFESPA(ラフェスパ)」と、このセンサーを搭載した生産システムのデモ展示を行った。機構部で発生する熱エネルギーを検知することで、装置の予防保全などを可能とする。

 熱流センサーは、センサー上下の温度差を利用して、熱の移動量や方向を測定することができる。RAFESPAは、熱電変換材料に半導体を用い、P型半導体とN型半導体を直列に接続して感度を増幅する。特に、BiTe(ビスマステルル)系の材料を用いたことで感度を高めたという。従来は特性が安定しているNiCr(ニッケルクロム)系が一般的に用いられている。今回は、感度がNiCr系より約9倍高いBiTe系を用い、その上で安定した特性が得られるよう工夫した。これにより、極めて微小な熱流を計測することが可能となった。

従来は1〜10mm必要だったが

 熱流センサーは一般的に、厚みのある方が感度を高くすることができる。RAFESPAは、高い感度が得られる材料を用いているため、薄型にしても十分な感度が得られるという。RAFESPAは、約0.3mm厚とした。一般的に、同等の感度を実現しようとすると、NiCr系では1〜10mm厚が必要になるという。

 センサー部の薄型化を可能としたことで、柔軟性も増した。最小曲率半径は30mmで、腕や配管などの曲面に巻き付けて、放熱を測定することができる。耐圧は最大4MPaを実現しており、加圧状態での計測を可能とした。製品は標準品としてセンサー部の長さが9.1mm(Sサイズ)、31.6mm(Mサイズ)、54.1mm(Lサイズ)の3タイプを用意している。


半導体式熱流センサー「RAFESPA」の外観

製造ラインの搬送システムを想定してデモ

 ブースでは、製造ラインの搬送システムを想定して、搬送やハンドリングなどのデモを行った。RAFESPAをアブソーバーやベルト、シリンダー、チャックなどに取り付け、その熱量を計測し、その変化をディスプレイに表示した。「搬送されてきた部材などをつかみ損ねたり、通常とは異なるものをつかんだりしたりすると熱エネルギーが変わり、その違いを出力された波形で確認することができる。製造装置の予防保全などに活用することができる」(説明員)と話す。


製造ラインの搬送システムを想定したデモ展示におけるセンサー出力の表示例 (クリックで拡大)

 デンソー社内では、自動車のエンジンルームにRAFESPAを設置。エンジンの放熱を計測し、熱害評価や熱ロス解析などに応用しているという。

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