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5G、土台があれば優れたサービスは生まれてくる:Keysight 5G AKIBA Summit 2016(3/3 ページ)
キーサイト・テクノロジーは2016年6月10日、5Gの最新技術動向や5G開発向けの計測器などを紹介する「Keysight 5G AKIBA Summit 2016」を開催した。基調講演ではNTTドコモが登壇し、5G(第5世代移動通信)の技術動向や2020年での一部商用化の予測について語った。
キーサイトの5G向け計測器を一挙に披露
キーサイト・テクノロジーは、5G開発向けの主な計測器を、Keysight 5G AKIBA Summit 2016で一挙に披露した。同社は、5G向けの計測器について「広帯域幅への対応と、ミリ波への対応。この2つの方向で製品ラインアップの強化を進めている」と話す。
左=60GHz帯の伝搬測定システムのデモ。任意信号発生器やアップコンバーター、ダウンコンバーター、ミキサーなどで構成している。デモでは62.5GHz帯を使って電波を発生させ、伝搬の環境を測定していた。ミキサーは、60GHz〜90GHz帯向けに開発したもので、小型な点を特長とする「M1971E」が使われていた/持ち運び可能なほど小型なマイクロ波アナライザー。50GHzまで対応している。ケーブルやアンテナなど設備のメンテナンスなどの用途を想定している(クリックで拡大)
左=1GHzの帯域幅の信号を解析できるシグナルアナライザー。これまでは、解析できる最大の帯域幅は510MHzだったが、それが1GHzに拡張された。周波数は3Hz〜50GHzに対応している/右=Keysight Technologiesが2015年6月に買収したAniteのマルチパスフェージングシミュレーター。MIMOの片方向、双方向試験に対応したチャネルエミュレーターである(クリックで拡大)
左=多チャンネルMIMOにおける送受信試験のデモ。帯域幅5GHzに対応した任意信号発生器と、同1GHzに対応したデジタイザを組み合わせて、4×4 MIMO/帯域幅1GHzの通信の品質を測定していた。キーサイトによれば、4×4 MIMOの信号をこれほどの広帯域幅で測定できるシステムは他にはないという/右=測定結果を示した画面(クリックで拡大)
左=255MHz幅の信号を最大3時間、連続して記録できるレコーディング製品(スペクトラムアナライザーの上部に置かれている製品)。デモでは、255MHz幅の信号を記録している様子が披露された。100MHz幅以上の信号を記録したいというニーズに応えた製品だという/右=システムシミュレーター「SystemVue」では、ミリ波通信システムの検証やビームフォーミング用のパーツを用意するなど、5G向けのライブラリーを強化した。画像はビームフォーミングのデモ(クリックで拡大)
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