AEC-Q100の試験受託サービス体制を強化:パワー温度サイクル試験用設備を増設
OKIエンジニアリングは2016年7月、車載用半導体の信頼性試験基準「AEC-Q100」規格に準拠した試験受託サービス体制を強化した。
OKIエンジニアリング、年間2500万円以上目指す
OKIエンジニアリングは2016年7月11日、車載用LSIの信頼性試験基準である「AEC-Q100」規格に準拠した試験の受託サービス体制を強化したと発表した。
AEC-Q100規格は、多くの自動車メーカーが採用しているため、自動車向け半導体製品の多くで同規格への対応が求められている。そのため、車載向け製品を展開する半導体メーカーは、自社の試験設備や試験技術者が不足する傾向にあり、試験を外部に委託するケースが増えている。
治具の設計、製作も対応可能
そうした中で、OKIエンジニアリングはこれまでもAEC-Q100対応の受託試験サービスを展開してきた。今回、「特に要望が多い」というパワー温度サイクル試験に関する設備を増強し、AEC-Q100取得のための受託試験サービスを強化した。
また、パワー温度サイクル試験では、LSIを断続動作させる治具が必要になるが、この治具はLSI製品ごとに用意しなければならず、半導体メーカーにとって試験実施の障壁になっていた。OKIエンジニアリングは、試験治具の設計、製作も含めて受託するという。
OKIエンジニアリングでは、「車載用半導体は今後、各メーカーによりますます多品種が製造される見込みで、試験の需要も高まると予想される。引き続きAEC-Q100試験の実施対応力を強化し、車載品の設計、開発、製造を支援していく」としている。
なお、AEC-Q100試験サービスの価格は、「個別見積もり」とし非公表。同試験サービスによる売り上げ目標は、年間2500万円以上としている。
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