NTTグループ、AI技術の実証実験を広範に展開:安心・安全で豊かな社会の実現へ
NTTなどグループ6社は、NTTグループが保有するAI関連技術「corevo(コレボ)」を用い、さまざまな分野/業界においてコミュニケーションロボットやセンサーなどと連動させた実証実験を始める。
ロボット関連ビジネスを加速
NTT、NTTデータ、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、NTTドコモの6社は2016年7月、NTTグループが保有するAI関連技術「corevo(コレボ)」を用い、さまざまな分野/業界においてコミュニケーションロボットやセンサーなどを連動させた実証実験を始めると発表した。
corevoは、「音声音響処理技術」や「日本語解析技術」、コミュニケーションロボットやセンサーをはじめとする各種デバイスを連携制御するための「R-env:連舞」技術などによって構成される。2015年度は、NTTグループ各社が、corevoを活用してロボット関連の実証実験を行い、「FAQ検索」や「雑談対話」「音声認識技術」などの検証を実施した。
今回は、これらを共通基盤としてクラウド上に構築し、NTTグループ各社がパートナー企業とともに、コミュニケーションロボットを中心としたデバイス連携サービスについて実証実験を展開する。その分野/用途は広範囲にわたるという。各種受付/案内業務を中心にデバイス連携サービスを適用させ、その有効性や受容性の検証と課題抽出に合同で取り組む。その上で、corevo関連技術の改善効率化を図り、ロボット関連ビジネスを一段と加速させていく考えである。
具体的にNTTは、NTTグループ各社に対して、クラウドを介しcorevo関連技術の提供や技術課題の抽出を行う。NTTデータはNTTグループ各社が行う実証実験に向けて、「クラウドロボティクス基盤」などを提供する。NTT東日本は、新宿区内の店舗や主要スポットに設置されたコミュニケーションロボットをデジタルサイネージなどと連携させ、地域振興向けサービスの実証実験を行うことにしている。
NTT西日本は、多言語での対応が可能な観光案内用デバイス(ロボットやデジタルサイネージなど)と連動させた観光案内ソリューションを検証していく。NTT Comは、介護施設などで機能訓練の一環として実施されているレクリエーション活動に関して、コミュニケーションロボットが支援できるようなプログラムの開発や実証実験を行う計画だ。NTTドコモは、自治体における高齢者福祉(健康増進)サービスの充実を目的に実証実験を行う。特に、corevoを活用した自然対話エンジンおよびロボット連携制御技術「R-env:連舞」で動作するコミュニケーションロボットを用いて、行政による健康指導をサポートするデバイス連携サービスなどを予定している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- NTT西日本、LPWAネットワークを現場で検証
NTT西日本は、IoT(モノのインターネット)向けネットワーク「LPWA(Low Power Wide Area)」のフィールドトライアルを実施する。IoT利用シーンの創出と新サービスの開発につなげていく。 - 半導体商社が“くまのぬいぐるみ”開発を行う理由
2016年3月、NTTドコモなど4社がコミュニケーションパートナー「ここくま」を発表した。ここくまとは、離れて暮らす家族と連絡が取れる“くまのぬいぐるみ”の形をしたロボットだ。4社のうち、開発マネジメントを担当したのが半導体商社のバイテックグローバルエレクトロニクスである。なぜ、同社がくまのぬいぐるみロボットの開発に携わったのか、鈴木裕二氏と西晃彦氏に話を聞いた。 - 5Gで8K映像のリアルタイム伝送に成功
NTTドコモとNokia(ノキア)は、8K映像のリアルタイム5G(第5世代移動通信)無線伝送に「世界で初めて成功した」と発表した。 - 人の“模倣”ではないAIで、未来を作る
NTTは、「R&Dフォーラム 2016」の一般公開を前に、主な展示をプレス向けに紹介した。AI(人工知能)を搭載した“ぶつからないクルマ”や、眼球の動きから“好みのタイプ”を判別する技術、VR(仮想現実)を利用したスポーツトレーニングのデモなどが披露された。