“垂直指向のサービス”から抜け出すためのIoT基盤:ノキアが「IMPACT」を国内で本格展開へ(2/3 ページ)
ノキアが、IoT(モノのインターネット)事業を本格化している。同事業の柱となるのが、今後、日本国内への提供を開始するIoT向けのプラットフォーム「IMPACT(インパクト)」だ。ノキアの日本法人であるノキアソリューションズ&ネットワークスは2016年8月25日、事業戦略説明会を開催し、IMPACTについて説明した。
映像を“センサー”のように使う
ノキアが特に力を入れるデータ解析では、「Nokia Video Analytics」を利用することもできる。ノキアの子会社であるベル研究所が開発した技術で、映像から取り出した情報についてベクトル解析なが行える。例えば、交差点の映像から、人が動く方向や速度、密集状態などを解析する。これを応用すれば、これまでの振る舞いと異なる事態が発生したことを検知する「異常検知」などのシステムを構築することもできる。柳橋氏は、「単なる映像データを提供するのではなく、映像を“センサー”のように使ったデータ解析結果を、アプリケーションプロバイダーに提供できるようになる」と説明する。
コネクテッドカーのシステムを構築
ノキアは、基本的にはIMPACTをキャリア(通信事業者)に提供することを想定している。説明会では、幾つかの導入事例が紹介された。
Verizon Telematicsは、Mercedes-Benz(メルセデスベンツ)向けのコネクテッドカーシステム「mbrace」にIMPACTを用いている。Verizon TelematicsのIT環境とメルセデスベンツのインビークル(In Vehicle)管理システムにIMPACTが搭載されている。これによって、車載ソフトウェアの更新や自動車の診断、自動車のデータの収集などをセルラーネットワーク経由で行える。
柳橋氏によると、Verizon Telematicsは新しいビジネスモデルとして、このシステムで収集したドライバーのデータの解析結果(運転の仕方など)を、例えば車両保険会社などに販売するといったことも考えているという。
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