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“垂直指向のサービス”から抜け出すためのIoT基盤ノキアが「IMPACT」を国内で本格展開へ(3/3 ページ)

ノキアが、IoT(モノのインターネット)事業を本格化している。同事業の柱となるのが、今後、日本国内への提供を開始するIoT向けのプラットフォーム「IMPACT(インパクト)」だ。ノキアの日本法人であるノキアソリューションズ&ネットワークスは2016年8月25日、事業戦略説明会を開催し、IMPACTについて説明した。

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スマートバス待合所

 ニュージーランドのブロードバンドプロバイダーであるChorusは、IMPACTを使った「Connected Bus Shelter」のサービスを試験的に提供(トライアル)している。これは、バスの待合所にブロードバンド回線を実装し、“IoTハブ”として機能させる試みである。ビジネスモデルとしては、以下のようなケースが考えられる。

  • 待合所に設置したディスプレイに、バスのリアルタイムの運行情報などとともに広告を表示して、収入を得る
  • キャリアがスモールセルを設置して、待合所をモバイルネットワークのバックホールにして、接続料を得る
  • センサーなどのデバイスを設置して、設置料やアクセス料を得る。もしくは、デバイスから収集したデータおよび解析結果を販売する

 Chorusのトライアルは、単一のデータが単一の市場でしか使われない“垂直指向”のIoTビジネスモデルから抜け出し、さまざまな市場に横展開できる拡張性の高いIoTサービス基盤を作っているという点で、分かりやすい事例だといえるだろう。


「Connected Bus Shelter」のバス待合所のイメージ。Connected Bus Shelterのプロジェクトに参加しているDownerの動画をキャプチャーしたもの

 IMPACTの価格について西原氏は、接続されるデバイスの数をベースに決定していくと説明した。また、データを解析されることに抵抗がある場合は、解析機能だけを除いてIMPACTを提供するなど、柔軟な対応が可能だという。

「誰でもプレイできる基盤を」

 「携帯電話機や通信機器を提供するメーカー」という印象が強いノキアだが、西原氏は「2016年にアルカテル・ルーセントを統合したことで、宅内装置や端末から基地局、さらにはアプリケーションやサービスまで、ネットワークのエンド・ツー・エンドに対応できるようなメーカーを目指す。IoT時代において、企業が新しいビジネスモデルを作り出し、収益を上げていくための基盤として、また、どの企業でもプレイできるような基盤として、IMPACTを提供していきたい」と語った。

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