「iPhone 7 Plus」を分解:“デュアルカメラ”を搭載
2016年9月16日に発売されたApple(アップル)のスマートフォン「iPhone 7 Plus」を、iFixitが分解した。
“デュアルカメラ”を搭載
2016年9月16日に販売が始まったApple(アップル)の最新スマートフォン「iPhone 7 Plus」。仕様を確認しておくと、5.5型ディスプレイ(1920×1080ピクセル、401ppi)を搭載し、サイズは158.2×77.9×7.3mm。64ビットアーキテクチャのSoC(System on Chip)「A10 Fusion」およびコプロセッサ「M10」を搭載している。A10 Fusionは、ARMのbig.LITTLE処理を採用していて、「iPhone 6」のSoC「A9」に比べて40%高速化を実現するコアを2個と、A9比で消費電力量が5分の1となる高効率コアを2個用いている。加えて、6コアGPUも搭載している*)。
*)関連記事:Appleの新しいカスタムチップ3種を考察
バッテリーの容量は2915mAh(11.1Wh、3.82V)で、iPhone 6 Plusの2750mAh(10.45Wh)に比べると、やや増加しているという。なお、Samsung Electronics(サムスン電子)の新型スマートフォン「Galaxy Note 7」は現在、バッテリーの発火により出荷が停止されている。Galaxy Note 7のバッテリー容量は3500mAh(13.48Wh)である。
発売されたばかりのiPhone 7 Plusを、これも恒例となっているが、iFixitが早速分解したので、メインボードを中心に紹介する。分解の詳細は、iFixitのページから見ることができる。
メインボードの搭載部品
メインボードの表面および裏面に搭載されている部品は、それぞれ以下の通りのようだ。
- 赤色:AppleのSoC(System on Chip)「A10 Fusion APL1W24」と、Samsung Electronicsの3Gバイト LPDDR4 RAM
- オレンジ色:QualcommのLTE Cat 12対応モデム
- 黄色:Skyworks 78100-20
- 緑色:Avago Technologiesのパワーアンプモジュール「AFEM-8065」
- 水色:Avago Technologiesのパワーアンプモジュール「AFEM-8055」
- 青色:Universal Scientific IndustrialのO1 1RタッチコントローラーIC
- 赤色:東芝の128Gバイトフラッシュメモリ
- オレンジ色:Wi-Fiモジュール(「339S00199」と刻印)
- 黄色:NXP SemiconductorsのNFCコントローラーIC「67V04」
- 緑色:Dialog SemiconductorのパワーマネジメントIC「338S00225」
- 水色:QualcommのパワーマネジメントIC「PMD9645」
- 青色:QualcommのマルチモードLTEトランシーバーIC「WTR4905」
- ピンク:QualcommのRFトランシーバーIC「WTR3925」
その他、メインボード裏面には以下の部品も搭載されている。
- Apple/Cirrus Logicのオーディオコーデック「338S00105」
- Cirrus Logicのオーディオアンプ「338S00220」
- Lattice Semiconductorの「ICESLP4K」
- Skyworksの「13702-20」および「13703-21」
- Avago Technologiesの「LFI630 183439」
- NXP Semiconductorsの「610A38」
- TDK EPCOSの「D5315」
- Texas Instruments(TI)の「64W0Y5P」および「65750A0P」
デュアルレンズのカメラ
iPhone 7 Plusの特徴の1つがカメラだ。12Mピクセルの広角カメラおよび望遠カメラから成る“デュアルカメラ”構成である。2倍の光学ズームと最大10倍のデジタルズームが可能となっている。
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