オンセミのフェアチャイルド買収が完了:売上高は約50億米ドルに
ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)によるFairchild Semiconductor(フェアチャイルド・セミコンダクター)の買収が完了した。2015年11月の買収発表から10カ月、中国当局の承認が得られたことでようやく完了することとなった。
年間売上高は約50億米ドルに
ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)は2016年9月19日(米国時間)、Fairchild Semiconductor(フェアチャイルド・セミコンダクター)の買収が完了したと発表した。24億米ドル(約2443億円)を現金で支払った。今回の買収により、フェアチャイルドはNASDAQの上場を廃止し、オン・セミコンダクターの完全子会社となる。2015年度の売上高はオン・セミコンダクターが約35億米ドル、フェアチャイルドが約14億米ドルだった。
オン・セミコンダクターは、中国商務部の承認を得たことで、フェアチャイルドの買収を完了することができた。2016年8月末に米国連邦取引委員会(FTC)の承認を、条件付きで得ていて、あとは中国当局の承認を待つのみという状況だった。この時の条件が、「フェアチャイルドを買収する前に、プレーナ型IGBT(イグニションIGBT)事業を売却すること」だったが、オン・セミコンダクターは条件通り、同事業を米国Littelfuse(リテルヒューズ)に売却。同売却は2016年8月29日(米国時間)に完了している。
今回の買収による成果は、GAAPベースの財務報告書では2017年下半期に、非GAAPベースでは即座に反映される見込みだという。オン・セミコンダクターは、年間のコストを2017年末までに1億6000万米ドル、2018年までに2億米ドル、2019年末までに2億2500万米ドルに削減できるとみている。
オン・セミコンダクターのプレジデント兼CEOのKeith Jackson氏はプレスリリースで、「フェアチャイルドを買収したことで、幅広いアプリケーションおよびエンド市場向けのパワーマネジメント製品群やアナログ製品群のサプライヤーとなるべく第一歩を踏み出すことができる」とコメントしている。
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